レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーショットの構え方のつづき」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本56】
画像: ドライバーのインパクトではボールより頭が先行しないように注意しよう

ドライバーのインパクトではボールより頭が先行しないように注意しよう

背骨を右に傾けて構えることでインパクトも良くなる

画像: 背骨を右に傾けて構えることでインパクトも良くなる

背骨を右に傾けて構えることでインパクトも良くなる

GD この連載でアイアンを使ったハーフスウィングのときにアドレスでは背骨は右に傾くのが正解と教えていただきましたが、ドライバーもアイアンと同じくらい傾けるのですか?

原田 グリップは右手が左手の下を持つじゃないですか。だから右肩が下がるよね。そうすると左腕の張り、右腕のたわみができて背骨が右に傾きます。ドライバーはボールの位置が真ん中じゃなくて左になるから余計に背骨が右に傾きます。

GD ドライバーのボールの見方で大事なことは、右からボールを見るようにして、そのときにアイアンよりも背骨を右に傾け、右サイドがかぶらないようにするということですね。

原田 そこはしっかり徹底してください。

「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」を意識して構える

画像: 「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」はアイアンより意識する

「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」はアイアンより意識する

GD あとボールの見方に関連することで、ゴルフでは「ヘッド・ビハインド・ザ・ボールが大事」と言われます。インパクトの瞬間は頭がボールよりも後方にあるということなんですが、ドライバーの場合はアイアンよりもその度合いは強くなりますか?

原田 アイアンよりもその意識は出てきますね。なぜかというと最初からボールの位置が左だからですね。

GD プロの連続写真では左へ振っていくときに右のシューズを上から見ているくらい頭を右に残している選手が多いのですが、ドライバーを振っていくときはあのくらい頭を残す意識があった方がいいですか?

原田 プロが頭を右に残している写真はもう何千分の1秒の瞬間を写したものです。実際は残す意識はほんの一瞬です。ずっと残しておこうと考えているわけではないんです。もちろん頭がボールより後ろにあることは大事ですよ。

GD インパクト時に顔がどのように向いているかより、頭がボールより後方にあることがポイントなんですね。

正しいインパクトでミート率と飛距離がアップ

画像: ドライバーショットもアイアンショットもインパクトで頭がボールより後方にあるのがポイントだ

ドライバーショットもアイアンショットもインパクトで頭がボールより後方にあるのがポイントだ

原田 このポイントを意識している人は少ないですね。ボールより頭が後方にあると、クラブはインサイドから下ろしやすくなります。右肩がかぶってアウトサイドインの軌道にもなりにくいです。頭がボールより左にある(先行する)とボールをアッパーにもとらえにくくなります。このポイントひとつを意識するだけで、ドライバーショットは良くなります。

GD ミスが減って、ミート率も上がってボールは飛びそうですね。では、頭を残す意識はどのあたりまでが適正ですか? 原田プロが素振りをしているのを見ていると、前の連載で学んだインパクトの入り口まではしっかり右に頭を残しているようですが。

原田 確かに頭は残しておかなくてはいけないです。でも、感覚と実際は違うんです。車は急に止まれないと言うでしょう。インパクトの入り口、すなわちグリップが右腰の前にくるまでは頭は右に残していますが、そこまで残す意識では左へ体重移動ができないんです。

GD 車は確かに急には止まれません。感覚と実際が違うことは分かりました。頭を残す意識、感覚はどこまで持っていればいいのでしょうか?

頭を残す意識は体重移動で左へ踏み込むまで

画像: 頭を残す感覚は、左へ踏み混むときまで。それでも、インパクト直後まで頭は後方に残っている

頭を残す感覚は、左へ踏み混むときまで。それでも、インパクト直後まで頭は後方に残っている

原田 感覚はね、左へ踏み込むときまでです。

GD 体重移動と体の回転を始めるまでは、頭を右に残す感覚を持ったほうがスムーズにクラブを振れそうですね。頭を右に残す感覚は左へ踏み込むときまでですが、動画を撮って再生してみたらインパクトの入り口に手がくるところまで残っている。あとは自然に右肩が顔(アゴ)の下にきたらそれと一緒に左へ動いていくような感じですね。

原田 そう、それくらいのタイミングかな。

GD 「ボールを右から見て構える」にちょっと戻りますけど、自分の感覚だけかもしれませんが、グリップが内に入っているように感じます。ちょっとハンドレートになっているのかなって。アイアンはハンドファースト。そのあたりは気にしなくていいのですか?

原田 そう感じる人もいますけど、実際そんなにハンドレートにはならないですよ。そこはあまり気にしなくていいです。

GD これまでの連載ではアドレス時の両腕とクラブでできる形は小文字の「y」でした。左足内側のボールのすぐ後方にヘッドを置けば、自然にその形ができているということですね。ハンドレートではない形が。

原田 そうです。例えばヘッドをボールのすぐ後ろではなく、両足の真ん中あたりに置いたら大文字の「Y」になってしまいますよね。もしも手の位置が中に入っているんじゃないかと気になるようなら、練習場の鏡で見たり、自分で写真や動画を撮って確認したりするといいですよ。では、次回はドライバーのグリップについて真っすぐ遠くへ飛ばせる握り方を説明します。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ

インパクトが良くなるボールの見方

ドライバーショットの基本を解説

This article is a sponsored article by
''.