
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●59.5度 体積●460cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値
“ピンらしさ”を残して飛びが進化した!
GD 今回はピンゴルフ『G440 MAX ドライバー』(以下、G440 MAX)を、『G430 MAX ドライバー』(以下、G430 MAX)と比較しながら分析していただきます。各メーカーが発表するシリーズの中には、大慣性モーメントを謳うモデルがラインナップされていますが、「ピンゴルフ」は他社よりも前から慣性モーメントにこだわり続け、「やさしいといったらピンゴルフ」というポジションを確立していますね。
松尾 そうですね。重心を深く、長くすることで上下左右の打点ズレに強いヘッド設計を追求しています。
GD 「ピンゴルフ」はシリーズ全般でヘッドの慣性モーメントが大きいですが、それとは別にドローバイアスの『SFT』、低スピンで飛ばせる『LST』と分かれています。そして今回分析する『MAX』はよりミスに強い性能を重視しているモデルです。今シリーズはどんな性能になっているのでしょうか?
松尾 お助け機能は健在で、さらに従来よりも重心が低くなり飛距離性能がアップしました。

『G440 MAX』はMAXらしいブレないヘッドでありながら、飛距離性能がアップしたという
GD 詳しい解説をよろしくお願いします。
松尾 重心設計を紐解くとモデルの性能が分かるのですが、1番の違いはスイートスポットの高さです。前モデルと比較してみると、『G430 MAX』が37.5ミリ、『G440 MAX』が33.1ミリなので低くなっています。フェースの高さは『G430 MAX』が53.7ミリ、『G440 MAX』が52.6ミリとシャロー設計は維持されているので、スイートスポットが低く設定されています。
そして低重心率(重心の高さ÷フェース高さで求められスピン性能の指標になる)は、『G430 MAX』が69.8%と高重心だったのに対して、『G440 MAX』は62.9%と標準的な値になりました。
スイートスポットが低くなったことで、フェース上部の有効打点エリア(下画像の白線)が広くなり、低スピンで高い打ち出しの鋭い弾道で飛ばせるようになりました。

『G440 MAX』は前モデルよりもスイートスポットが低くなり、「低重心化」をさせて低スピンの鋭い打球で飛ばせるようになった
GD なるほど。スイートスポットが低くなると、重心が浅くなる傾向がありますがどうなのでしょうか?
松尾 今回の『G440 MAX』のテクノロジーであるヘッド内外部の軽量化によって、余剰重量を捻出してヘッド後端にウェイトとして配置しています。その効果が重心深度に表れており、『G430 MAX』が46.5ミリと非常に深い設定、『G440 MAX』はさらに深い48.0ミリになっています。これに関連してヘッドの慣性モーメント(基準値:4600〜4799g・㎠)が、『G430 MAX』が5487g・㎠、『G440 MAX』は5534g・㎠と非常に大きい設定を維持できています。
重心の深さを維持して「ピンゴルフらしいやさしさ」を持ち合わせながら、低重心化によって飛距離性能を進化させてきたのが今モデルになります。
GD ピンゴルフ『G440 MAX ドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 他にはフェース角が前モデルはオープン1.0度でしたが、今モデルはオープン0.5度と少し閉じられています。かなりアップライトなライ角設定と合わせると、つかまり感を見た目で与えたい意図を感じます。
これらを踏まえると、お助け機能で不安を感じずに、気持ちよく強い弾道で飛ばしたいゴルファーは試してみるといいでしょう。