「MAX」なのに締まって見える
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打は10.5度、計測ヘッドが9.0度。シャフトは「ALTA J CB BLUE」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
※試打10.5度、計測9.0度
クラブの長さは45.5インチとやや長く、クラブクラブ重量が308.9グラムとやや重く、スウィングウェイトがD3.2と大きくなっています。その結果、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが296万g・㎠と非常に大きくなっています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが48m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。全体的に前モデルの『G430 MAX』よりも少しハードになっています。
ヘッドは横幅が非常に広い形状で全体的に扁平のシャロー設計になっています。しかし今モデルは『G410 プラス』を模されて設計されていることもあり、前モデルよりも横幅が少し狭くなり、投影面積が小さくなった印象です。

今シリーズの「MAX」は実際にアドレスすると、投影面積が抑えられスッキリと構えやすい顔になっている
実際に試打したところ、アドレスでは軽いオープンフェース設定のおかげで、スクエア感が出ています。ヘッドの後方が低いシャローバック形状なので、インパクト付近をアッパーにスウィングしやすいイメージもあります。
試打シャフトは従来よりも適度なしっかり感があり、インパクトの再現性が良く、ヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーでも扱えそうです。
重心深度が非常に深い大慣性モーメントヘッドを狙った設計で、芯を外れたミスヒットに強い“MAXらしい性能“になっています。また前モデルよりも低重心化され、従来の高重心モデルから標準的なモデルになったのが大きな特徴です。従来のモデルと比べて低スピンの弾道が打ちやすくなっています。さらに前モデルと同様に、少しトウ寄りの重心設定の軽いフェードバイアスです。

どちらも中心よりややトウ寄りの、軽いフェードバイアスヘッドになっている
ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいので、ヘッドの返りがゆったりとしています。この特性を生かして、オートマチックに軽いフェード系で飛ばせます。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月3日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より