アマチュアが回るゴルフ場でよくあるのが、砂が少ないバンカー。そんな状況で、どうバンカーショットに臨めばいいのか、ギアオタクでフィッターの小倉勇人に聞いてみた。
画像: 硬い砂のバンカーショットはどう対処すればいい?(写真はイメージ)

硬い砂のバンカーショットはどう対処すればいい?(写真はイメージ)

どうウェッジを使うのが正解?

クラブフィッター小倉です。今回は、お客様からのご質問がテーマです。「河川敷などの砂がないバンカーって、どうやって打つのが正解なの?」とご質問を頂きました。主にバンカーで使用する、いわゆるサンドウェッジは、砂にヘッドが潜りすぎないようにソールの出っ張り、バウンスがついています。様々な状況でボールをコントロールするための設計になっているクラブであり、ある程度砂があるバンカーでの使用が前提で設計されています。

砂のないバンカーは、いわゆるベアグラウンドとほぼ同じ状態で、硬い地面に直接ボールが接地している状態ですから、バウンスのあるウェッジでは、ヘッドが弾かれやすくなってしまい、トップのミスになりやすくなります。いわゆるベアグラウンドであれば、ロフトの小さいクラブで転がすという選択肢がありますが、大なり小なりアゴがあるバンカーではそうはいきません。多少の距離があるなら、ハーフトップで対処することは可能ですが、グリーン周りのバンカーではそうはいきません。そんな状況で苦しんだことのあるゴルファーは多いのではないでしょうか。

こういった砂のないバンカーの対処法は、いかに硬い砂ごとボールを打つかになります。ボールと地面との間に隙間がない状態で、通常のバンカーショットのようなフワッとした高さのある球を打つことはまず不可能です。可能な方法を考えるとすれば、硬い地面からフワッとしたショットを打つために専用のウェッジを作るぐらいしかないでしょう。バウンスがゼロかマイナスぐらいにしたソールの細いウェッジを作れば、ベアグラウンドや硬いバンカーからクリーンにボールを打ってもフワッとした球が打てるかもしれません。

そんなクラブを作ってみるもの面白そうですが、そのような環境以外で活躍するイメージが湧かないので、ちょっと現実的ではないですね。もし、そういうウェッジを作って芝の上で打ってみたら、よほどテクニックがない限り、ほとんどがザックリのミスになってしまうでしょう。

では、今あるウェッジでどうやったら硬い砂ごとボールを打てるのか。重要な点は、バウンスよりもエッジを先に地面に接地させることです。一般的なバンカーショットでこれをやると、ヘッドが砂に刺さってしまい、ボールがほとんど飛びません。ですが砂のないバンカーの場合は、エッジを先に設置させることで、あえてヘッドを地面に刺し、硬い土を削るようにして、ボールの下にある土ごと飛ばすことによってある程度はフワッとした球を打つことができます。

私が硬いバンカーで気を付けていることは、エッジを刺さりやすくするためにボールをいつもより右足寄りに置くこと。そしてインパクトを強めるのではなく、一定の力で振り抜くことのふたつです。そうすることで確実にエッジを先に接地させ、硬い地面によってヘッドがはじき返されにくくなります。クラブの構造を理解し、対処法を知れば、100満点のショットは打てなくても、最低限のショットは誰でもできるはずです。もしそんな状況に陥ってしまったら、是非チャレンジしてみてください。ベストはそんなバンカーに入れないことなんですけどね・・・

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