レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーショットのグリップ」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本57】
画像: 左手の3本指でにクラブを握る

左手の3本指でにクラブを握る

フィンガーグリップが基本

画像: フィンガーグリップが基本

フィンガーグリップが基本

原田 今回はドライバーのグリップについて説明します。

GD この連載ではアイアンのグリップはフィンガーグリップ推奨でした。ドライバーも手のひらで握るパームグリップではなく、指で握るフィンガーグリップがいいのですか?

原田 長い番手になるほど指でクラブを握ってほしいんです。

GD その理由は?

原田 クラブをこう振れるようにするためです。

GD こう? 今、原田プロがやって見せてくれた動きは、クラブを右回りに回転させる動きですね?

クラブを立ててクラブをぐるぐる回せますか?

画像: グリップを正しく握っていれば、クラブを立てて半時計回りにぐるぐる回すことができる

グリップを正しく握っていれば、クラブを立てて半時計回りにぐるぐる回すことができる

原田 そう。グリップを握ってクラブを立てて右回りに回します。

GD ドライバーショットはクラブが長いから横振りのイメージがありますが、縦振りなんですね。

原田 ドライバーは上体が起きますからスウィング軌道がアイアンよりもフラットになります。確かに横振りのイメージが出てきますけど、意識としてはあくまでも縦に振ります。

GD 確認ですけど、先ほどの動きは、真っすぐに立って、グリップを持ってクラブを顔の前に立てて、手首を使ってクラブを右回りに回転させるということですね。

原田 そうです。これができるとクラブを上手く振ることができますが、このときに指じゃなくて手全体で握っている人は手首が硬くなって、上手くクラブを右回りに回転させることができないんです。ということはイコールクラブを正しく振れないということですね。さらに言えば、ヘッドスピードが上がらず、飛ばないということです。

GD 要はグリップをフィンガーで握っていれば、体の前で右回りにクラブを回転させることができれば、クラブを上手く振れて、飛距離がアップするということですね。

手全体でクラブを握っている人はヘッドが走らない

画像: 手全体でクラブを握る人は腕が伸びてわきが空いてしまう

手全体でクラブを握る人は腕が伸びてわきが空いてしまう

原田 手全体で握っている人ってね、バックスウィングにしても両手が伸びちゃって、ひじが曲がらないし、わきが締まってこない。そうすると正しいトップの位置ができないし、クラブが体に巻きつかない。フォローでもそう。腕がのびちゃって、ヘッドが走らない。正しい体の動きを殺してしまうんですよね。だからそうならないためにはグリップを指で握る必要があるんです。これは長いクラブを振るときの前提条件であり必須条件です。

GD ドライバーのグリップを指で握ることの大切さは理解できました。では、指で握ると具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

原田 手首を柔軟に使えてクラブを縦に振れます。腕の振りはひじから下だけでいいんだけど、それができるってことです。手全体で握っている人は肩から使ってしまうんです。

GD 確認ですけど、腕の振りはひじから下だけでいいというのは、ひじから上の部分、つまりわきは締まっている状態で、動くのはひじから先の部分だけということですね?

原田 そうですね。上腕と肩はボディターンで動くんです。だから腕を肩から使っちゃう人は体のバランスが崩れてしまいますね。

フィンガーグリップの握り方

画像: 握る指は左手の小指、薬指、中指の3本

握る指は左手の小指、薬指、中指の3本

GD フィンガーグリップの確認ですが?

原田 グリップについては、私たちのカリキュラムにはA、B、C、Dがあると説明しました。4つのポイントのうち、Bの「どの指で握るか」をおさらいしましょう。

GD Aの「グリップの形」も大事ですが、グリップの中身についてですね。

原田 握る指は左手の小指、薬指、中指の3本になります。多くのアマチュアの方は5本の指で握ろうとしているけど、実はこの3本で握るのが一番効率よく力を発揮できるんです。左右10本の指のなかで、左手の3本。7本の指は握らない。それが、ドライバーで力を発揮するフィンガーグリップです。

GD 残りの7本については?

左手3本以外の7本は添えるだけ

画像: 「右手もフィンガーに握るので、握り方は覚えてください。人差し指と中指の第二関節のしわの部分がグリップの真下になるように合わせます」(原田プロ)

「右手もフィンガーに握るので、握り方は覚えてください。人差し指と中指の第二関節のしわの部分がグリップの真下になるように合わせます」(原田プロ)

原田 添えるだけですね。つまり握る指と握らない指があるということです。このフィンガーグリップが縦振りの効果を生んで、スウィング軌道が良くなり、ヘッドスピードをアップする原動力になるわけです。ドライバーはクラブの長さがあるぶん、アイアン以上にヘッドを走らせるには、起点となるグリップがポイント。ここをおろそかにはできないんです。飛ばしたいから腕を振ろうとか、トップを大きくしたほうがいいだろうかとかを考えるより、まずはグリップ。フィンガーグリップでクラブを振れるかどうかが、ドライバーショットを成功させるためのトリガーになります。ただし、右手もフィンガーに握るので、握り方は覚えてください。人差し指と中指の第二関節のしわの部分がグリップの真下になるように合わせます。

GD アイアンでは右手を添えるだけの感覚で打っていましたが、ドライバーもアイアン以上にグリップを左手3本の指で振るように意識してやってみたいと思います。

原田 そうしてください。それでね、指で持つようにしてもドライバーって振り方が難しいでしょう。そこでドライバーのように長いクラブを上手く振るために役に立つドリルを紹介しておきましょう。

GD 次回はドライバーのドリルですね。楽しみです。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ

動画よりわかりやすい「グリップの正しい握り方」(15コマ)

クラブの正しい握り方

ドライバーショットの基本

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