選ぶポイントは、トップからの切り返しの「振りやすさ」
GD 初代ゼクシオの時点で、すでに「ややストロングロフト」だったという印象があるんですけど、今はさらにロフトが立っています。打球を上げるためには、ヘッドだけでなく、シャフトが貢献する部分もあると思うんですけど、そこはどうですか？
長谷部 以前別の回で、打球の高さとか弾道は「ヘッドで何とかしてくれ」って言ったことがあるんですけど、「好きなヘッドを使いたい、でもちょっとボールを上げたい」という時にはいくつかあるスチールシャフトの中から剛性変化を含めて、先端の動きを変えることで打ち出しにかなり影響してきます。『ゼロス8』は新基軸のシャフトですから、そういったものを含めてトライしてみる価値はあると思います。
GD 今日3つのシャフトを打ち比べてみて、私は『ゼロス8』が良かったですね。「ゆったり振る」、「強振しない」、「リズムで打つ」タイプにはいいんじゃないかなと思いました。ドライバーのヘッドスピード40m/s弱ぐらいになってきても、「しっかりヒットしたい」という人は『NS850』で、その中間が『850ネオ』という感じでした。
長谷部 アイアンのシャフトのフィーリングや感じ方については、人それぞれなので表現が非常に難しいんですけど、トップからの切り返しで多くの人が手元の硬さを感じるので、そこで振りやすいと感じるものを選んでいくのが一番の正攻法の選び方だと思います。『ゼロス8』が無理なく振れる、振りやすいタイミングであったとしたら、そこを基準に選ぶのがいいと思います。
GD 『NS850』は過去にも打ったことがあります。その他2つに関しては未知の世界でした。3つを打ち比べてみたら極端に打ちやすい、打ちにくいということはなく、どれも正直打ちやすかったです。そこからさらに絞って、どれがいいかというぐらいフィーリングからするとすごく近しいものを感じました。『NS950』ユーザーが違うシャフトに変えたいなと思ったら、ますは今日試打した3つのシャフトを打ち比べてみるのがよさそうですね。
長谷部 シャフトを軽くすれば、ほとんどは振りやすくなるという範疇があるじゃないですか。その範疇の中で考えたときに、スチールからカーボンに変わった瞬間いろんなものが変わりすぎて、やっぱり練習が必要だったり、慣れが必要だったり、スウィングを変えなければいけないという人も中にはいたと思います。
なかなか馴染めず結局またスチールに戻ってくるという動きがあったと思うんですけど、『NS950』ユーザーがターゲットだとすると、同じメーカーである安心感も含めて3種類の中から選べば、総重量の軽さで振りやすくなるのは間違いないので、その中で「しなり方」として振りやすいのはどれか？ で選ぶのが一番いいような気がします。あとは3つとも先端の動きが違うので、打ち出し角度とか弾道の高さ、強さの違いも選択肢になると思います。
GD 打てるか、打てないかといったら3つとも打てる。「打てる」の中には練習していったらクラブに慣れるというものもありました。
長谷部 まあ、そういう考え方もあるので否定はしませんし、慣れということも必要だと思います。ただアイアンセットを変えるということは、結構な本数のシャフトが変わることなので、前後のクラブに対しても影響を与えます。そこで振りやすいと思ったフィーリングを維持しながら、フェアウェイウッド、ハイブリッドも打てるようになると、なおいいですよね。
アイアンのシャフトを軽くすることはクラブの総重量が大きく変わることなので、それとともに両端につながるのウェッジやハイブリッドのシャフトを見直してみるとか、ドライバー、ウッド系のシャフトを見直してみる必要が出てきます。
GD 今店頭に並んでいる飛び系のアイアンは、軽量スチールとカーボンの選択ができるものが多いと思いますが、『850ネオ』は採用されている？
長谷部 けっこう採用されるようになってきましたね。でも現在のプロパーでの採用率はまだまだ『950ネオ』が定番で、『850ネオ』と『ゼロス8』に関してはまだそこまで裾野が広がっていませんが、店頭にいけば試打クラブはあると思うので、試すことはできると思います。
日本シャフトでの販売の実績もあるし、リシャフト市場も形成されているので、日本シャフトが主催する試打会に行くのが一番だと思います。もし、そういった機会がなければ、日本シャフトを積極的に扱っている工房であれば試打クラブが揃っているはずなので、同じ7番アイアンのヘッドで試打するのもありですよね。
