もっと打ちやすい、振りやすいアイアンは存在する
GD ドライバーのリシャフトも1990年代の接着時代は大掛かりの話でした。それが「カチャカチャ」が付いたことでいろんなものを試せるようになって、「合う、合わない」が言われるようになりました。アイアンに関してはまだ接着なので、そこの領域には入っていません。ドライバーとアイアンが不一致のものを使っているゴルファーが結構いると思うんですけど?
長谷部 前提としてアイアンの買い替えサイクルとドライバーの買い替えサイクルがかなり違います。アイアンだと5年以上にならないと買い替える人が少ないので、その間にリシャフトをしていればいいんですけど、そうではないケースがほとんどだと思います。飛ばなくなってきたり、ちょっと重たくなってきた時にアイアンを替えることが多いと思うので、その時にシャフトも吟味していただくのが一番いいと思います。
今までは吊るしのもの、プロパー品を買っていたとしても、フィッティングをする機会をクラブメーカーや、シャフトメーカーが環境を整えてくれるようになったので、ドライバーを試すだけじゃなく、アイアンにもちょっと興味を持っていただいて、自分に合う系統のシャフトを探してもらいたいですね。
GD 試打会に足を運んで、自分に合うものを探す。その大事さはわかりますが、一般のゴルファーにしてみれば既製品を勧められたほうが安心という人も少なくないはずです。
長谷部 軽量シャフトに関してクラブメーカーは、本当に冒険しないと思うんですよ。『NS950』がヒットして、その流れの『950ネオ』、『850ネオ』を採用する流れはもちろんあります。ただそれだけでは絶対にわからないフィーリングがあって、その違いを我々が知らないだけだったと思うんですよね。
打てば違いが分かる人はたくさんいて、もちろん分からない人もいるとは思いますが、メーカーが「これが一番です」って言ってるのは今までの延長線上なんですよ。もうそうじゃない世界が徐々に見え始めているのでフィッティングとか試打会に積極的に参加して違いを比較すべきじゃないかなと思います。
GD アイアンのシャフトバリエーションが増えないのは、クラブ在庫を持ちたくない?
長谷部 その通りです。間違いなくメーカーのスタンスで言えば100グラム台のシャフトが1種類あれば、次は90グラム台1種類でとりあえず回しておこうと思いますよね。だからカスタムメイドで作っているところ以外はプロパー品としてはなかなか次のシャフトにトライはしづらい。なぜトライしづらいかっていうと、「前作で売れたのに何で変えなきゃいけないの、変えて売れなくなったらどうしよう」というのが大きなメーカーの考えやすいところなので、徐々に市場の反応や声を聞いてカスタム実績が増えないと次のシャフトにスイッチできないのがプロパー採用の限界だと思います。
GD メーカーが言っていることは正しいと思う人が大半だと思うんですよ。でも実際は裏側にはそういった事情があって、もっと細かい選び方が存在している。でもメーカーはそこまで手を出さないとなると、自分がアクションを起こして良いモノを探しにいかなきゃいけないということですね。
長谷部 ドライバーシャフト交換で言うと4万円、5万円、中には8万円もするシャフトがあるので非常に高価な買い物です。アイアンは6本としても工賃込み5万円程度で交換可能ですがセットを購入となると15万円以上するので、吊るしのままでいいんですか? 自分の背丈に合うスーツを作ると同じようにアイアンも自分のスウィング、体力に合うものを選んでもいいんじゃないかって思うんです。
メーカーはカスタムメイドの体制を整えているので注文すれば買えます。ただシャフトの違いを試す機会が少なかったり、積極的に探しに行かなかったりすると吊るしのまま買ってしまって今までと変わらないような結果になってしまうので、今は自分に合うシャフトを探せる時代になっているので、もっと積極的にメーカーがやっている試打会やフィッティング会に参加してもらいたいと思います。
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