プロが使えるユーティリティは実はまだできていない?
GD メーカーとしてはどうなんですかね。ドライバーには力を入れる。アイアンが得意なメーカーであればアイアンに力を入れる。ウェッジも積極的に力を入れるメーカーが増えています。その中で方向性が定まってないのがユーティリティカテゴリーなのかなと?
長谷部 そうですね。ロングアイアンの代わりとして出てきて、昔はボールが上がる、やさしい、つかまる、ロングアイアンに代わるものがユーティリティ、ハイブリッドのスタートですが、いざツアーレベルの選手が求める機能の物となると、実はハマるクラブがまだ出来上がってない。
GD ユーティリティと言ったら、アマチュアのお助けクラブでその中からプロでも使えそうなものがピックアップされてきた感じがします。プロでもロングアイアンがしんどいからユーティリティを入れる流れは過去にもありましたが、プロの需要が高まってくるとユーティリティの開発が進む可能性はあるのでしょうか?
長谷部 あるでしょうね。一昔前のプロギア「ZOOM」はツアープロを席巻しました。ツアープロの中でもティーショットギアとして好まれた時代がありましたが、「地べたから打てる」をテーマに考えた時には、まだ十分対応できていないのかもしれません。
例えばタイトリストのアイアンシリーズに中空モデルがありますけど、ロングアイアンはそこから選ぶというのは理論上あるんですけど、セットの概念で作っていますから、特殊なことはしない。もうちょっと違った機能を求めていった場合、単品のユーティリティが充実してくると、よりセット構成が定まってくるんじゃないですかね。
GD 男子ツアープロのクラブセッティングは、ウェッジがほぼ固まり、FW、ユーティリティ部分がまだ決まっていない。セッティングが変わってきたのは、やっぱりボールの変化ですか?
長谷部 アイアンのロフトが変わってきたこととボールの影響、この2つが大きいと思います。「飛ばしたい」、「スピンをかけたい」、この狭間で最近は「スリクソンXV」や「ツアーB XS」などスピン系のツアーボールが見直されるようになってきています。
でもロングショットのスピン量を考えると、芝から打つには厳しいことは否めないので、ウェッジとは違う別の考え方としてロングショットのカテゴリーが重視されると、ハイブリッド専用シャフトの充実なども加わってクラブセッティングがさらに変わる可能性はあるでしょうね。
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