
【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/26.0度 ●ライ角/61.0度 ●価格(税込)/14万3000円(#7~AW)※すべてメーカー公表値
性能を発揮させるにはパワーが必要
GD 今回はプロギア『03アイアン』を分析していただきます。プロギアのフラグシップモデルにあたる「PRGR IRONs」は名前に冠されている数字によってコンセプトが分かれています。『03アイアン』は2022年に初代が発売され、徹底的に飛びを追及しながらも軟鉄鍛造のボディで本格派の顔と、異色なポジションのアイアンです。
松尾 そうですね。『03アイアン』を含めて6機種がラインナップされています。軟鉄一枚もので操作性と小ぶりなヘッド、そして軟らかい打感を味わえる『00アイアン』、同じく軟鉄一体ながらもキャビティ構造の『01アイアン』、フェースに反発の良い素材を使いロフトが30度と少し立てられた『02アイアン』。『03アイアン』、『04アイアン』、『05アイアン』は30度を切るさらに飛びに特化したモデルになっています。

プロギアアイアンの中で突き抜けたロフト設定の『03アイアン』に二代目が登場した。今モデルはどんな性能になっているのか検証した
GD 『03』が26度、『04』は28度、そして『05』が29度というフローになっています。3種はストロングロフトになるわけですが、中でも『03』の強気な設定が目立ちますね。そんな『03』に二代目が登場しました。前モデルからどんな変化を遂げたのでしょうか?
松尾 基本的な『03』らしいヘッド設計は継承されています。飛距離に直結するロフト角は前モデルと同様に26度と超ストロング設定になっています。加えてフェース素材もニッケルクロムモリブデン鋼という軟鉄よりも反発が良い素材を使用しています。他にはバウンス角が前モデル2.6度、今モデルが2.8度と変わらず小さい設定です。横から払うスイープなスウィングと相性が良い設計は変わっていません。

おおまかな基本設計は変わっていない。しかしソール設計には違いがあり、今モデルはリーディングエッジ側とトレーリングエッジ側が削られており抜けの良さがアップ。写真を見ると角張り方に差が出ている
GD ぶっ飛び設計のコンセプトはブレていないというわけですね。他に注目すべきところはありますか?
松尾 重心設計に変化がありました。スイートスポットの高さ(基準値:20.5~21.4ミリ)が前モデルは22.1ミリと高い位置でした。しかし今モデルは21.1ミリと標準的な位置になりました。前モデルよりも低重心化することで弾道を高くしようと試みているのかもしれません。

今モデルはスイートスポットが低くなった
GD 今モデルのキャッチコピーである「狙える、ぶっ飛び系」は超ストロング設計そのままに重心を低くしたことで可能にしたわけですね。
松尾 そうですね。しかしこれだけ立っているロフト設計だとパワーがある、スウィングスピードに自信があるゴルファーでないとフェアウェイのあるがままの状態からボールを上げるのは難しいです。そしてヘッドの慣性モーメント(基準値:2600~2799g・㎠)が2554g・㎠とやや控えめなため、打点ズレに強いヘッドではありません。
使い手がある程度限られるアイアンということは頭に入れておくと良いかもしれません。
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