『03アイアン』は弾いて飛ばす激飛び系
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「スペックスチールIII Ver.2 M-43」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
激飛び系ながらもヘッドの慣性モーメントがやや控えめ。誰でも簡単に飛ばせるアイアンというわけではない
クラブ重量が400グラムと軽量スチールシャフト仕様としてはやや軽め。クラブの長さが37.88インチと5番アイアンのように長いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが273万g・㎠と大きくなっています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは全体的にオーソドックスな形状で、フェース面が長く、大きく見えて打ちやすそうなイメージがあります。またアドレスでソールの後端が見えているので、ソールの幅が広いことがわかります。さらに長いフェースにしてはスコアラインがやや短めの設定からか、自然とフェース面中央に視線が集中する感じがあります。

アドレスでバックフェースの後端が見えるほどソールが広い
実際に試打したところ、アドレスではストレートネックでスクエア感があり、フェースのヒール側の高さが高めなので、少しライ角のフラット感が出ています。
試打シャフトは適度なしっかり感でダウンブロースウィングにも耐えてくれます。フェース面には軟鉄よりも硬い素材が使われており、ボールの弾きがいい感じです。一方で打感はパチンと弾く感触もあります。
ロフト角が26度設定で、通常の5番アイアンと同じような超ストロングロフト設定で、明らかに飛ばしに特化した設計になっています。そしてスピン量が少なく、強い打球が飛んで行きます。

『03アイアン』の最大の特徴である強気のロフト設定は前モデルから継続採用だ
フェース面のSS(スイートスポット)はスコアラインのほぼ中央に位置されており、ややフェースのトウ側にボールがヒットしやすい方にはいいでしょう。

重心距離が前モデルよりも長くなったことでスイートスポットがわずかに中央からトウ寄りにシフトした
他のシニアの方々にも試打してもらいましたが、フェアウェイからではボールが上がりにくく、またクラブも長いのでやや難しく感じていました。8番からのセットで丁度いいのかもしれません。
※週刊ゴルフダイジェスト7月8日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より