フェアウェイウッドとユーティリティの“境界線”となるのがロフト21度くらい。7Wを入れるべきか、それとも4Uにするべきか……。週刊ゴルフダイジェスト7月15日号ではギアに詳しい堀越良和プロに聞いている。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: 同じ21度のクラブでも7Wと4Uでは弾道はかなり違います!

同じ21度のクラブでも7Wと4Uでは弾道はかなり違います!

解説/堀越良和プロ
豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属

かつては、アイアンセットを購入すれば3番や4番まで揃っていたのに対して、現代はアイアンが5番や6番までのセッティングが主流になり、ロフト20度台前半のクラブをどう組んでいくか、選択しなければならなくなった。ドライバーや3Wなどの“飛距離を稼ぐクラブ”と、主にグリーンを狙うアイアンの間に位置するショートウッドとユーティリティ(UT)はロフト21度くらいが悩みどころだ。番手でいうと、フェアウェイウッドの「7W」とUTの「4U」が21度くらいになるが、どちらを選ぶべきなのか。

今回、堀越良和プロが“21度のセッティング問題”について、解説してくれた。

「今ではバッグに入っているアイアンが6番までのゴルファーも多くなり、ドライバーとアイアンの間のクラブを選択しなければなりません。ドライバーとアイアンをつなぐ21度のクラブ選びにおいて、同じロフト21度でもそれぞれの特徴を把握せずに、なんとなくクラブを選択してしまうと、思い描く理想のゴルフとのミスマッチが生じてしまい、スコアメイクの足かせになってしまうことがあるので注意が必要です」

画像: 同じ21度でも特徴は異なる!

同じ21度でも特徴は異なる!

では、7Wと4Uはどんな違いがあるのか。

「同じ21度のクラブでも、まずはクラブの長さが違います。メーカーやブランドによって長さは違いますが、同じシリーズであれば7Wは4Uよりも1~2インチ長く設定されています。次にヘッドの大きさですが、これは重心の深さが関係してきます。市場で売られている多くの7Wが140~170ccくらいのヘッド体積に対して、4Uは100~120cc程度。7Wのほうがヘッド体積が大きくヘッドの奥行きも長いので、重心位置は深くなります。4Uは7Wに比べてヘッドが小さいので、自然と重心位置は浅くなります。重心深度が変わると、当然ボールの弾道は変わります」

具体的にはボールの弾道はどう変わるのか。

「重心深度が深いことによって、弾道は高くなります。一方で、重心が浅いクラブは打ち出しが低くなり、強い球が出るという特徴があります」

重心深度によって、弾道が変わってくると同時に、スピン量にも影響が出てくる。重心が深い7Wはスピン量も多くなる傾向がある。ほかにも、違いはあるのか。

「ヘッドの形状は7Wが丸みを帯びているのに対して、4Uはフェース面が真っすぐな形状です。7Wが丸みを帯びているのは、ウッド特有のバルジ(フェース面の横方向の丸み)とロール(縦方向の丸み)があるからです。このバルジが方向性のブレを減少させます。一方で、4Uはフェースがアイアンのように、直線的な形状になるので、構えた時に目標方向に構えやすい一面があります」

「UTはチップの内径で“性格”が変わります」(堀越プロ)

チップの内径でUTの“性格”がわかると堀越プロは言う。

「UTはモデルによって“ウッド寄り”だったり“アイアン寄り”だったりと性格が異なります。この性格はチップの内径で判断できます。
 
今回試打したタイトリストの『GT2』はチップ内径が370でシャフト先端の剛性が高く強い球が出ます。対して、ロイヤルコレクションから新しく出た『VX』は球が上がりやすいやさしいモデルでチップ内径350と細めです。つまり、球が上がりやすいUTを希望する場合チップ内径350のモデルがいいでしょう。UTを購入する際はチップ内径にも注目し、どういう性格をしているかを把握しましょう」

画像: チップの内径が大事

チップの内径が大事

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次は、堀越プロに試打してもらい、より詳しく違いを紹介しよう。

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