ドライバーのソール面にウェイトを配し、自分好みに弾道をフィッティングできるモデルは現代では当たり前になっています。その先駆けとなったのがテーラーメイド『r7クワッド ドライバー』でした。21年ぶりにミニドライバーとして復刻され、当時と同様にフェース側と後端にそれぞれ2つずつウェイトを搭載し、ミニドライバーながら幅広いカスタマイズが可能となっています。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「ミニドライバーながらティーショットに重きを置いた設計になっている」と言います。前モデルの『バーナーミニ カッパー』と比較しながら考察してみた。
画像: 【試打クラブスペック】ロフト角●11.5度 ライ角●57.0度 体積●305cc 価格(税込)●8万8000円 ※メーカー公表値

【試打クラブスペック】ロフト角●11.5度 ライ角●57.0度 体積●305cc 価格(税込)●8万8000円 ※メーカー公表値

ティーショットを意識したクラブ設計

GD 今回はテーラーメイド『r7クワッド ミニドライバー』(以下、r7ミニ)を前モデルの『バーナーミニ カッパー』(以下、バーナーミニ)と比較しながら分析していただきます。近年ミニドラがブームになりつつあるわけですが、いち早く市場に展開したのがテーラーメイドでした。2014年の『SLDR ミニ』を皮切りにラインナップが増えています。今モデルはこれまでのミニドライバーとは見た目から違いが分かりやすいですね。

テーラーメイドのミニドライバー初代は『SLDR ミニ』だった

松尾 そうですね。2004年に登場した『r7クワッド ドライバー』を再現しつつ、ミニドライバーとして復刻しました。当時では画期的だったソール面にウェイトを搭載し、自分好みの弾道にカスタマイズできるのが大きな特徴でした。そのカスタマイズ機能を移植しながらも、ミニドライバーらしくひと回り小さいヘッドになっていますね。

GD 現代のドライバーは460㏄が当たり前ですから、よりヘッドの小ささが際立ちますね。『r7ミニ』は前モデルと比較してどんな性能になっているのでしょうか?

松尾 最初に注目したのはリアルロフトが厳しくなっていることです。両モデル共にカタログ値が11.5度で分析をしましたが、『バーナーミニ』が12.0度、『r7ミニ』が11.0度という結果になっています。リアルロフトが立てられているのは、飛距離性能を高める意図があるのではないかと。

画像: 『r7ミニ』はリアルロフトが小さい設定を生かして鋭い打球で飛ばせる

『r7ミニ』はリアルロフトが小さい設定を生かして鋭い打球で飛ばせる

GD なるほど。ヘッドがドライバーよりも小さく長さが短い分、飛距離が落ちるもののリアルロフトを小さくすることで、鋭い打球で飛ばせるように工夫しているわけですね。

松尾 はい。ヘッド体積もミニドライバーなので小さい部類ではありますが、『バーナーミニ』が303cc、『r7ミニ』が310ccと今モデルはほんの少し大きくなっています。実際に構えてみても今モデルは投影面積が大きく感じました。厳しくなったリアルロフトとあわせて考えると、ティーショットで使うことを意識しているように感じますね。

GD 他に気になるポイントはありますか?

松尾 スイートスポット(フェース面上の重心)が今モデルはトウ寄りの設計のフェードバイアスヘッドになっています。加えてライ角が56.5度とフラットな設定から、ボールのつかまり過ぎを防ぐ狙いがあると思います。

画像: 今モデルはトウ寄り重心のフェードバイアス設計

今モデルはトウ寄り重心のフェードバイアス設計

GD テーラーメイド『r7クワッド ミニドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 データ以外にも重さが異なるウェイトを入れ替えることでフィッティングできるのが大きな特徴です。つかまり具合や弾道の高さなど6通りの調整幅があるので、自分が使いたいシチュエーションに応じてカスタマイズしてみるのもいいでしょう。
 
小さなリアルロフト、大きく見えるヘッドのことを踏まえると、狭いホールで安心して飛ばすティーショット用として使うと良いと思います。

▶︎▶︎▶︎次ページでは凄腕シングル松尾好員氏のテーラーメイド『r7クワッド ミニドライバー』の試打インプレッションを紹介!

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