アマチュアの8~9割はスライサーと言われるが、スライスでは当然、飛距離を稼げない。そこで身につけたいのが真逆の球筋「フック」だ。多くのアマチュアを指導してきた米田貴プロは「フックボールは飛距離がアップするだけでなくスウィングもよくなります」と話す。週刊ゴルフダイジェスト7月22日号のレッスンを「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: これで“万年スライサー”は卒業。ドローを打つにはまず「どフック」から身に着けよう!【飛ばないアマチュアはどフックで飛ばそう①】

解説/米田 貴プロ
江連忠の一番弟子としてコーチング技術を学んだETGA愛知校チーフインストラクター。週刊ゴルフダイジェスト誌連載「新モダンゴルフ」のヨネでもおなじみ。現在、女子プロの前田陽子を指導している

どフックの先にドローボールがある

飛距離低下に悩むアマチュアは多い。どうすれば飛距離は伸ばせるのか? 小誌レッスンでおなじみの米田プロに聞いた。

「スウィングはもともとドローボール(フックボール)になるのが自然です。とくにショートアイアンはフェースが左を向いていますから、普通に振るだけでフックが出ます。ですが、アマチュアの多くはスライサーですよね。スライスはスピン量が多い、球が弱いなど、飛距離を稼ぎづらいです。であれば、フックボール、まずは『どフック』を身につけてください。ずっとスライスしか出ていないわけですから、ビッグチェンジするためにも『どフック』に挑戦するのがおすすめです」

スライスからいきなりフックが打てるものなのか? それで本当に飛距離アップするのか?

「スライスはアウトサイドイン軌道ですが、フックはその逆になりますからインサイドアウト軌道す。つまりインパクトゾーンでヘッドがインサイドアウトに動かなければなりません。ここがクリアできれば、フックやドローは簡単です。左に巻いたボールって意外に距離が出ていてびっくりしたことありませんか? フックはランが出ます。飛距離はキャリーで考えるのが常識です。でないと池やバンカーを越せるか判断できないからです。ですが、ランで距離を稼ぐのもアリです。フックがつか
めれば、飛距離もスウィングも劇的によくなりますよ」

スライスとフックの違い

ボールの回転軸の傾きで球筋が変わる
ボールには必ずバックスピンがかかり、その回転軸が左右に傾くことで球筋が変わる。左に傾くのがフック、右に傾くのがスライス。「フックは左に曲がりランが出る、スライスは右に曲がりランが出ないなど、それぞれに特徴があります」(米田プロ・以下同)

画像: 球の回転イメージ

球の回転イメージ

スライス回転
・ボールが弱い
・スピン量が多い
・ランが出にくい

フック回転
・ボールが強い
・スピン量が少ない
・ランが出やすい

フックボールのメリット

ボールをつかまえる感覚が身につく
「インサイドアウト軌道のフックは、ボールをつかまえるスウィングでもあります。それだけで軌道が整いますし、スピン量が減る、ボール初速が上がるなど、飛距離も確実に伸びます。転がすアプローチも上手くなりますよ」
 
・スウィング軌道が整う
・ボール初速が上がる
・飛距離が伸びる

画像: アウトサイドインはボールがつかまらない

アウトサイドインはボールがつかまらない

「どフック」をマスターせよ①右サイドを作る

「どフック」への道がスタート。まず大切なのが、右サイドの作り方だと語る米田プロ。

「インサイドアウトにヘッドを振り抜くには、インサイドからクラブを入れていくことが絶対条件です。その準備となるのが右サイドです。できるだけトップを深くしてください。つまり体、とくに胸をしっかり回すことです。胸が回れば、クラブを下ろすスペースが確保され、インサイドに振りやすくなるからです。トップが深ければヘッドの助走距離も長くなるので、飛距離アップにもつながります」

胸がしっかり回った右サイドを作るときのポイントは?

「クローズスタンスにする。スタンスを狭くする。右足のつま先を開く。左足をヒールアップする。ボールをやや右に置くなどがいいです。自然にトップが深くなる工夫をしてあげれば、深いトップはそれほど難しくはありません」

画像: トップでは胸全体が後ろを向く、この捻転が大事!

トップでは胸全体が後ろを向く、この捻転が大事!

4つのポイント

ポイント① クローズスタンスで足幅は少し狭く
「トップを深くすることが大事なので、体が回りやすい状態を作ります。スタンスは狭いほうが回転しやすく、クローズにすれば胸も回ります。体が硬くても深いトップは作れるんです」

画像: アドレス

アドレス

ポイント② 左つま先は閉じて右つま先は開く
「左つま先は閉じて、右つま先を開くと右サイドに体が回しやすくなります。これも深いトップをとるひと工夫。クローズスタンスが合わない人はおすすめです」

画像: 右つま先を開く

右つま先を開く

ポイント③ ボール位置はやや右寄り
「ドライバーの場合、左かかと内側を基準にし、ボール1個分右に置くのがいいです。ボールが右寄りにあると右に打ち出しやすく、インサイドからヘッドを入れやすくなります」

画像: 左かかと内側を基準に、ボール1個分右に置く

左かかと内側を基準に、ボール1個分右に置く

ポイント④ 左足ヒールアップで胸をしっかり回す
「スタンス幅やつま先の向きでアドレスを作っても上手く胸が回らないときは、左足をヒールアップします。左ひざを内側に寄せるのもアリ。大切なのは、胸をしっかり回し、深いトップを作ることです」

画像: 左足をヒールアップ

左足をヒールアップ

右サイドで大事なことはひとつ!クラブを下ろすスペースを確保する

「トップで胸が回るとふところにスペースが生まれます。ここを確保できるとインサイドにクラブが下ろせます。アマチュアのアウトサイドインは体が回らないからアウトサイドにしか振れないんです」

▶ドローボールが打てればフォローが高くなる⁉その理由とは

PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/東名CC
※週刊ゴルフダイジェスト7月22日号「飛ばないアマチュアはどフックで飛ばそう」より一部抜粋

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