グリーンに乗せる、ピンに寄せるテクニックはスコアメイクに欠かせないが、100ヤード以内のアプローチでは距離の調整が必要なのに、苦手なアマチュアは多い。週刊ゴルフダイジェスト8月5日号では、アプローチにおける距離感についてプロに教えてもらっているが、そのカギは「手前から」にあるようだ。距離感の作り方&生かし方を「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中2回目】
 
▶北野正之プロが教える“距離感の正解”は「手前から」! 100Y以内アプローチ改善術【距離感は手前から目線で作る①】
画像: アプローチの距離感は“素振り”で完成させる! 北野正之プロが教える「インパクトを消す」秘訣【距離感は手前から目線で作る②】

解説北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う

距離感に合った素振りで距離感を完成させる

より正確な距離感がイメージできたら、あとは打つだけだ。だが、ここにアプローチの難しさがあると北野プロは語る。

「距離感は感覚ですから、そのイメージのままクラブを振りたいのです。ですが、アマチュアはどうしてもインパクトに意識がいってしまう。インパクトを考えた瞬間、距離感は失われます。これはパットで考えるとわかりやすいです。パットではライン(方向)を考えるとタッチ(距離感)がなくなるんです。では、どうすればいいか? そこで重要なのが素振りです。
 
プロはアプローチになると何回も素振りします。これは素振りで距離感を高めているからです。ターゲットに対してこの振りでは大きい、この振りでは小さい、そうやって徐々に距離を合わせていいのです。そして素振りのポイントは、いかに頭の中でボールを打てるかです。その映像があれば、距離感のある素振りが可能になります。
 
アマチュアの場合、上手く当てたいと考えた時点でミス確定です。距離に合わせた素振りをしたら、そのフィニッシュの位置を覚えてください。あとは、その位置まで振り抜くだけです。フィニッシュが決まれば、インパクトは通過点になり、意識から消せます。これなら距離感が最大限に生かせます」

北野流「距離感の生かし方」
3つのステップ

ステップ① 距離をイメージしながら素振り。(頭の中で)ボールを打つ
「手前から目線で作った距離感に合わせて素振り。このとき頭の中でボールを打ちます。その結果、ターゲットに対してオーバーかショートか、その判断で振り幅や力感を調整していきます」

画像: 頭の中でボールを打つ

頭の中でボールを打つ

ステップ② インパクトを消すためにフィニッシュの位置を決める
「距離に合った振り幅、力感をイメージしたらフィニッシュの位置を決めます。ここまで振るという感覚を持っておけば、インパクトは通過点になるので距離感を失うことなく、クラブを振り抜けるはずです」

画像: テークバックの振り幅は考えなくていい

テークバックの振り幅は考えなくていい

ステップ③ 距離感の幅はフェースの開き具合で微調整
「距離感に幅を持たせる場合、フェース面を意識します。手前に幅を持たせるならフェースが閉じないように意識し、奥に幅を作るならフェースが開かないようにイメージするといいです」

画像: 左)フェースを少し開くと距離が落ちやすい、右)フェースを少し閉じると距離が伸びやすい

左)フェースを少し開くと距離が落ちやすい、右)フェースを少し閉じると距離が伸びやすい

グリーン周りであれば……

「グリーン周りであれば、ピンを見ながら素振りします。頭の中でボールを転がしながら距離感を合わせていけば、ワンピンに寄せるのも難しくないです」

画像: ピンを見ながら素振りをすれば距離感が合いやすい

ピンを見ながら素振りをすれば距離感が合いやすい

バンカー越えであれば……

「バンカー越えは、まずバンカーに入れるつもりで素振りします。そこから徐々に振りを大きくし、距離を延ばしていけば、バンカーに入るミスが防げます

画像: バンカーに入る素振りから徐々に大きくしていく

バンカーに入る素振りから徐々に大きくしていく

北野流「距離感が合うおすすめドリル」

100Y以内のアプローチでは距離感が大事だが、アマチュアはどんな練習をしておくべきか? 北野プロはひと言。

「家の中で1~3Yのアプローチ練習をしてください。アマチュアは大きく振るのは得意ですから、小さく振る練習をすればいいんです。最初は3Yのキャリーから始め、2Y、1Yまで練習してください。室内なら大振りはできませんからね。手先ではなく、体で打つ感覚を身につけましょう。アプローチはある程度の練習量が必要です。毎日5~10球でいいのでコツコツ続けることが大事です」

超短い距離をキャリーで打つドリル

「3Yのキャリーなんて簡単だと思うかもしれませんが、やってみるとその難しさがわかります。短い距離を打つとフェースとボールのコンタクトが格段によくなります。ショットも改善されますよ」

画像: ヘッドをやや上めから入れるのがコツ

ヘッドをやや上めから入れるのがコツ

コレもおすすめ「体で振るドリル」

「胸の前でクラブを持ち、シャフトを垂直に保ちながら体を回します。クラブが寝てしまうのはダメ。クラブが立ったまま、体が回せれば、体で振れた証しになります」

画像: クラブを垂直にキープしたまま体を左右に回す

クラブを垂直にキープしたまま体を左右に回す

PHOTO/Yasuo Masuda 
THANKS/サザンヤードCC

※週刊ゴルフダイジェスト8月5日号「距離感は手前から目線で作る」より一部抜粋

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