日本では少数派の“洋芝”のゴルフ場。あまりプレーする機会がないので、苦手意識を持っているゴルファーも多いだろう。週刊ゴルフダイジェスト8月12日号では避暑地のリゾートコースで多い、洋芝対策のポイントをプロから教えてもらった。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: 「避暑地のゴルフ」でスコア激変!? “和芝”とは全く違う“洋芝”の攻略法【”洋芝”ってどう打てばいいの?①】

解説/町島久晴プロ
茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスンする日本プロゴルフ協会ティーチングプロ。聴覚障害者にも手話でレッスンを手掛ける

洋芝を得意にする!

今年の夏も連日猛暑が続くなか、8月のお盆休みを利用して、避暑地のリゾートでラウンドを楽しむ予定のゴルファーも多いだろう。しかし、避暑地のリゾートコースで多い“洋芝”に苦労をした経験があるゴルファーも少なくないはず。今回、町島久晴プロに洋芝のゴルフ場の特徴や対策を教えてもらった。

「日本では北海道や軽井沢、那須高原などの気温が低い地域のゴルフ場の多くが洋芝を採用していて、管理の観点でも涼しい地域との相性がいいです。対して、コーライ芝に代表される“和芝”は夏の暑さに強く、日本の多くのゴルフ場で採用されています。涼しい地域のゴルファー以外は、基本的に和芝でのラウンドが日常になるので、洋芝でプレーする機会が限られてしまいます。よって、夏のお盆の時期に避暑地のリゾートコースでラウンドすると、普段は回らない洋芝のゴルフ場に遭遇し、いつも通りの感覚でラウンドしていると洋芝の違和感に対応できず、苦労するゴルファーも多いです。あらかじめ洋芝の特徴を把握し、対策を練ることで、お盆休みのラウンドを気分よくプレーできるでしょう」

まずは、洋芝と和芝の違いについて教えてもらった。

「洋芝は芝の葉のキメが細かくて、柔らかく、水分を含み触るとしっとりと粘り気の強い芝質が特徴です。対して、和芝は洋芝と比べて葉が太くて立っており、乾燥しています。よって、日頃のラウンドで慣れている和芝の場合、フェアウェイからアイアンで打つとクラブの抜けが良く、葉が太く立っているので、ボールはわずかながら浮いています。また、和芝は乾燥しているため、クラブが滑りやすいので、少々手前から入ってもさほど問題ではないのですが、洋芝の場合はフェアウェイをキープできても、葉のキメが細かい影響でボールが沈んでしまうこともあり粘り気もあるので、ボールの手前からクラブが入った場合は芝の抵抗を受けやすい。さらに、抜けが悪くなるので飛距離が落ちてしまいます。また、同様の理由でダフリも起きやすいです。これらの現象が洋芝に対して苦手意識を持ってしまう大きな要因といえるでしょう」

“洋芝”と“和芝”の違い

【洋芝】ベント、ティフトン、バミューダなど

寒冷地向けのベントや温暖地のティフトン、バミューダの葉は細長くて、柔らかく保湿性も高いため、実際に触ると粘り気がある。

【和芝】コーライ、野芝など

葉が太くて硬く、芝目が強いのが特徴。暑さに強いので、近年の酷暑でも管理がしやすいが、冬になると茶色に変色していく。

画像: コーライ芝のつもりで打つとミスになりやすい

コーライ芝のつもりで打つとミスになりやすい

では、洋芝のラウンドでの対処法はあるのか。

「基本的に、洋芝のラウンドではボールをダウンブローでとらえていくのがセオリーです。洋芝でのショットで苦労してしまう人は、ボールの手前からヘッドが入る人で、そういうタイプはミスになりやすいです。日頃、ダウンブローで打てる人はいつも通りのショットで問題ないですが、クラブを払いながらショットするゴルファーは、洋芝の抵抗を受けやすいので、あらかじめ対策を練ったほうがいいでしょう。ただ、無理に『ダウンブローを習得してください』と勧めるつもりはないです。いつものスウィングに少し変化を加えるだけで洋芝でもクリーンにボールをとらえることができます」

洋芝のショットが難しい理由

フェアウェイでもボールが沈んでしまう
葉が細くて柔らかく、フェアウェイをキープできてもボールが沈んでしまう。ボールの手前からクラブが入るとダフリやすくなり、“払い打ち”や“すくい打ち”でショットするゴルファーには洋芝との相性が悪く、ミスが起きやすい。

画像: ボールが沈んでいる

ボールが沈んでいる

クラブが抜けにくく飛距離が出にくい
洋芝特有の粘り気がクラブの抜けを妨げる。とりわけ、洋芝のラフはボールが深く沈みやすく、芝の密度も高いため、より強い抵抗を受ける。大幅に飛距離がショートしてしまう恐れがあり、スコアメイクの足かせになってしまう厄介なシチュエーションだ。

画像: ヘッドが突っかかる

ヘッドが突っかかる

洋芝でのショットの基本

「ダウンブローでボールをとらえることが、洋芝のゴルフのセオリーです。ダウンブローが苦手な方は、プロのようにきれいなターフを取る必要はなく、クラブが手前の芝に絡まない程度に打ち込むだけでも十分です」(町島プロ)

画像: 「ダウンブローで打つのがセオリーです」(町島プロ)

「ダウンブローで打つのがセオリーです」(町島プロ)

次のページでは、町島プロに詳しい対策を説明してもらおう。

▶頭を動かさないだけで激変! 洋芝でミスしないためのスウィング&ラフ対策

PHOTO/Yasuo Masuda 
THANKS/KOSHIGAYA GOLF CLUB
※週刊ゴルフダイジェスト8月12日号「”洋芝”ってどう打てばいいの?」より一部抜粋

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