日本では少数派の“洋芝”のゴルフ場。あまりプレーする機会がないので、苦手意識を持っているゴルファーも多いだろう。週刊ゴルフダイジェスト8月12日号では避暑地のリゾートコースで多い、洋芝対策のポイントをプロから教えてもらった。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中2回目】
 
▶前編はこちら。「洋芝と和芝との違い」を解説
画像: 洋芝対策の“肝”は「頭の位置を動かさない」! 町島久晴プロが教える“ダフリ”と“飛距離ロス”を防ぐ3つのコツ【”洋芝”ってどう打てばいいの?②】

解説/町島久晴プロ
茨城県を拠点に多くのアマチュアゴルファーをレッスンする日本プロゴルフ協会ティーチングプロ。聴覚障害者にも手話でレッスンを手掛ける

洋芝対策の“肝”とは?

ここからは、町島プロに具体的な洋芝対策を解説してもらった。まずは、フェアウェイから。

「ダウンブローが苦手なアマチュアで多いのは、テークバックで頭を右に動かしてしまうことです。洋芝対策の1つ目は頭の位置をキープすることです。頭が右にズレると、ダフリやトップが出やすいのはもちろん、クラブの入射角が緩やかになってしまい、洋芝の影響を受けやすいです。逆に、頭がボールより右にズレなければ、クリーンにボールをとらえやすくなります。頭が右にズレてしまう癖がある人は動かさないように我慢しましょう。
 
2つ目の対策は、ボールをいつもより少し右に置くことです。ボールを右寄りに置けば、クラブの最下点を通過する前にボールをとらえることができます。ボール1個分くらいが目安で極端に右側に置く必要はありません。3つ目の対策は、いつもより左足に体重を乗せてショットすることです。左足体重にすることで、頭が右にズレることを防止できますし、ヘッドの軌道も鋭角に下りてきて、インパクトの際にハンドファーストでボールにコンタクトしやすくなります」

洋芝対策 フェアウェイ編

対策①テークバックで頭を動かさない
「和芝の場合、頭が右にズレてクラブが手前から入っても、ごまかしが利きますが、洋芝の場合は違います。頭が右にズレると、スウェイも起きて、クラブが緩やかに入り、ミスになりやすいです。多少、左に動かすくらいでも構いません」(町島プロ・以下同)

画像: 悪い例

悪い例

対策②ボールをいつもより右に置く
「いつもよりボール1つ分右に置くことで、クリーンにとらえやすくなります。右側にボールを置くと、右に球が出やすいので、気持ちスタンスをオープンに構えるといいでしょう。極端に右に置くとシャンクなどのミスが出やすいので要注意です」

画像: ボールは右にセット

ボールは右にセット

対策③左足体重でショットする
「左足に体重を乗せることで、頭が右側に流れるのを防止することができます。また、ハンドファーストで球をとらえることができ、上からヘッドを下ろしやすくなります。普段、アドレスの際の左右の体重配分が5対5の場合、左は6か7くらいを目安にするといいでしょう」

画像: 左足体重でスウィング

左足体重でスウィング

ショートゲームの方法

続いてアマチュアが苦労しやすい、洋芝のラフからのショットやアプローチの対策はどうだろうか。

「洋芝のラフはボールが沈みやすく、粘り気が強いので、特に難しい局面になります。ボールが沈み、埋まってしまう場合はラフからの脱出を優先し確実に前進することを心掛けましょう。グリーンを狙うなど、欲を出すとミスになりやすいので、短い番手を選択し、手前からラフを切り裂くようにショットします。加えて、ラフの場合は少し強めにグリップしてください。
 
洋芝のラフは抵抗が強いので、クラブが抵抗に負けてしまうと大幅な飛距離ロスにつながります。強く握りますが、スウィング自体はコンパクトで構いません。むしろ、力が余計に入り、大振りするとミスになりやすので注意しましょう。洋芝のグリーン周りのアプローチはクラブが滑らないため、SWでふわりと上げようとすると、チャックリが起きやすいシチュエーションになります。AWやPWを選択し、ランニング気味で確実にグリーンに乗せましょう」

洋芝対策 ラフ&アプローチ編

ラフ編①短い番手で芝を切るように打つ
「洋芝のラフは粘っこく、球が深く沈み込んでしまうので、クリーンにボールをとらえることが難しいです。この場合、無理にグリーンを狙うなどせずに、短い番手に切り替えてラフからの脱出を第一に、手前の芝を切るようにショットしましょう」

画像: 手前の芝から打つ

手前の芝から打つ

ラフ編②いつもより“少しだけ”強く握る
「アマチュアはグリップが強めの傾向があり“強く握る”ことをおすすめするのはためらいがありますが、洋芝の抵抗が強いのは確かでクラブが抵抗に負けると飛距離を大きくロスしてしまいます。いつもより少しグリップを強めて、コンパクトに振り抜きましょう」

画像: 少し強く握る

少し強く握る

アプローチ編③SWよりAWやPWの番手を選択する
「和芝はクラブが滑りやすいのに対して、洋芝はクラブが滑りにくく、SWはチャックリのリスクが伴い、チャックリを嫌がるとトップが出るなどミスにつながります。ミスを未然に防ぐために、AWやPWなどでピッチ&ランで攻めるのが安全策といえるでしょう」

画像: 番手選択も大事

番手選択も大事

ココも大事

素振りで芝の抵抗を確認しよう

洋芝の場合は必ず素振りで芝の抵抗を確認しよう。和芝でも同様だが、特に洋芝は抵抗がどれくらいなのか把握することが重要になり番手やショットの選択への影響が大きくなる。

画像: 芝の抵抗を確認する

芝の抵抗を確認する

ロフトの寝たUTやFWが有効だ!

ロングアイアンなどクラブが長くなると、球を打ち込むのはハードルが高い。ロフトの寝たUT やFWはリーディングエッジが出ていて、球を拾いやすいため洋芝のフェアウェイでは有効。

画像: ロフトが寝たクラブを選ぶ

ロフトが寝たクラブを選ぶ

洋芝対策を理解して、リゾートコースを攻略しよう。

PHOTO/Yasuo Masuda 
THANKS/KOSHIGAYA GOLF CLUB
※週刊ゴルフダイジェスト8月12日号「”洋芝”ってどう打てばいいの?」より一部抜粋

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