男子ゴルフの今季国内ツアー第11戦「ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」最終日が17日、北海道・御前水GC(6932ヤード、パー72)で行われ、通算30アンダーでトップに並んだ比嘉一貴と米澤蓮がプレーオフを戦い、2ホール目でイーグルを奪った比嘉が優勝した。今季初優勝で2022年ダンロップフェニックス以来の通算7勝目。比嘉は正規のラウンドを8バーディ、1ボギーの7アンダー65で回った。
画像: 「ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」を制した比嘉一貴(撮影/有原裕晶)

「ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」を制した比嘉一貴(撮影/有原裕晶)

4日間で獲得したバーディは32個

画像: ボールがカップインする寸前には勝利を確信。持っていたパターを手放し、両手を高々と上げて万歳した(撮影/有原裕晶)

ボールがカップインする寸前には勝利を確信。持っていたパターを手放し、両手を高々と上げて万歳した(撮影/有原裕晶)

「夏に爆発」したのは比嘉だった。

18番パー5を使ったプレーオフの2ホール目。手前から5メートルの緩いフックラインを読み切った。ボールがカップインする寸前には勝利を確信。持っていたパターを手放し、両手を高々と上げて万歳をした。その後もしばらく勝利の味をかみしめるようにグリーン上に残り、やがてキャップのひさしで顔を隠すようにして涙を流した。

「プレーオフの2ホール目は(正規の)72ホール目とプレーオフ1ホール目と同じようなラインを残せたので、3度目の正直で決めることができてうれしいです。(涙は)久しぶりっていうのもあったし、うれしさもあったし、一緒に戦ったキャディさんが幼なじみで一緒に勝ちたいというのも一つの夢じゃないけど、それも加えて感極まりました」

どれだけバーディが取れるのかをテーマにしたユニークな新規大会で、持ち前の攻めのゴルフを展開した。初日は8バーディ、1ボギーの7アンダー65で11位発進。2日目は10バーディ、ボギーなしで自己ベストタイの10アンダー62をマークしてトップに立ち、3日目は6バーディ、ボギーなしの6アンダー66で首位を死守した。そしてこの日の最終日は8バーディ、1ボギーの7アンダー65。正規の最終18番ではイーグル逃しのバーディを奪って東北福祉大の後輩・米澤とのプレーオフに持ち込んだ。通算30アンダーはツアー記録の通算32アンダーには届かなかったが、4日間で奪ったバーディ数は実に32個に及んだ。

「ゴルフが小さくなってバーディ数が少なくなっているというのは自分の中でもあったんですけど、今週そういう意味ではバーディ慣れじゃないですけど、少しアグレッシブさということころではイメージがよくなりました」

長く苦しい時期を乗り越えた

画像: 身長158センチと小柄ながらスケールの大きいゴルフが魅力(撮影/有原裕晶)

身長158センチと小柄ながらスケールの大きいゴルフが魅力(撮影/有原裕晶)

2022年に賞金王になり、翌23年は欧州ツアーに参戦したが、4位が最高でシード獲得にはわずかに届かなかった。国内に主戦場を移した昨年は未勝利に終わり、今回が低迷期脱出を示す復活の優勝となった。

「ヨーロッパツアーに行ったり、アジアに行ったり、日本に専念というよりは、今持っているチャンスをいかそうと必死にやっていたんですけど、なかなかうまくいかない期間が長くて、ちょっと砕かれた実感が何回かあったし、カベは高かいなと思っていたけど、できないことはないと思っていた。一番つらかったのは23年ですかね。ヨーロッパに専念したとき。(日本ツアーの)賞金王ということもあってメジャーやPGAツアーに出られたりしたけど、予選すら通らない時期も続いた。プロ人生で予選落ちが続くことがこれまでなかったので、結構苦しい時期でしたね」

この優勝で長かったトンネルを抜け出したことで、今後の目標もプラス方向に変更されそうだ。

「そこまで日本の賞金王っていうのは考えていない。インターナショナルシリーズでLIVの選手が出ていて上位を占めることが多くて、彼らに一矢報いたい気持ちはあるんですけど、すごく高いパフォーマンスを発揮してくるので、そういう人たちともっと一緒に回って、そういう舞台で優勝したい。それに対しての自信は今回久しぶりに優勝してついたかなと思います」

まだ30歳。身長158センチと小柄ながらスケールの大きいゴルフが魅力の比嘉が男子ゴルフをけん引する。

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