▶ドラディス1位の内山遥人が教える“飛ぶアドレス”の「3つのポイント」【アッパーカット打法①】

解説/内山遥人プロ
うちやまはると。2003年生まれ。福岡県糸島市出身。地元・糸島高校を卒業後、芥屋ゴルフ倶楽部で研修生となり2021年にプロテスト合格。昨年下部ツアー上位の資格で今季レギュラーツアーに参戦中。持ち味の飛距離を武器にツアー優勝を目指す。
【準備】右手の動きを抑える
GD 一般的にドローからフェードにすると飛距離が落ちそうですが。
内山 僕もそう思っていました。飛ぶようになったのは結果論ですが、フェードに変えてわかったことは、手先の動きじゃなく体の大きな部分を使うほうが効率良く飛ばせるということです。
GD 体の大きな部分とは。
内山 僕の場合は体の左サイドです。極端に言えば左腕を含めた体の左サイドをアドレスの形から何も変えずに振っているイメージなんです。だからヘッドを走らせる意識は一切ありません。
GD そのためにはどうすればいいですか。
内山 右手は力が入りやすいので、コネたりして左手の動きを邪魔しないように、写真Aのように右手を詰めて左右の手を一体化させる感じで握っています。さらに、こうするとシャフトを長く使えて遠心力が大きくなるんです。
GD まるでハンマー投げのようですね。
内山 左に踏み込んで戻る点や体を中心にしてヘッドが大きく動いている点は、ハンマー投げに近い動きなのかもしれません。インパクトで体とヘッドが引っ張り合っている感じです。手首をコネる動きがなく遠心力で振っているので、ヘッド軌道が安定し、ミート率が上がっているのも飛ぶ理由になっていると思います。
両手のグリップは“ツメツメ”

写真A/左親指が突き出るくらい詰めて握ります
左腕とクラブを一体化させて遠心力を最大に
手先の動きでヘッドを走らせるのではなく、体の大きな部分を使ってヘッドを動かすからインパクトで体とヘッドが引っ張り合う状態が生まれ遠心力を生かして飛ばせている。

遠心力を最大に

手元の位置を確認!
左腕だけならムダに大きく上がらない
常にクラブが体の正面にある状態でスウィングするために、左手1本でトップを作って手元の位置を確認する。手打ちによるオーバースウィングを防止する効果もあるという。

トップの手元の位置を確認する
【体の使い方】インパクトは右足重心で大回転!
GD ハンマー投げのようにスウィングするというお話ですが、もう少し具体的にやり方を教えてもらえますか。
内山 ダウンスウィングで左足を踏み込んでいくとお伝えしましたが、インパクトの直前に今度は右足で地面を踏むように使います。するとハンマー投げみたいに、ヘッドと体が引っ張り合う反発力が使えるからヘッドが加速するんです。

インパクト後も右足のかかとがほとんど浮いていないのは、ヘッドの動きと体の右サイドが反発し合っている証拠。この拮抗する力が強ければ強いほどヘッドが加速するので飛距離につながるという
GD 左から右に戻りながら打つ感じですよね。
内山 できれば、もう一つ味付けするなら、インパクト直前に左肩を後方の上方へ引き上げるように動かすと、フォローでさらにヘッドが加速します。
GD インパクトでは右足に体重が乗る感覚ですか?
内山 右足の上で回転して振り抜いている感覚は持っています。このとき気を付けてほしいのは、体は回転しますが左肩を上に引き上げるようにタテに動かす感覚を持つといいですね。そうすると、インパクトで体が開かずスライスしにくくなります。このインパクト直前で右足に体重を移す動きと、肩のタテ回転をマスターすれば、打ち出しの高い高弾道のストレートフェードでブッ飛ばせること間違いありませんよ!
3つのポイント
ポイント① 左肩を上へ引き上げる
左肩は自分を中心に引き上げる。この動きにより左足に乗せた体重を右に戻しやすくなる。さらに、体の正面からクラブが外れにくくなるので、どれだけ速く動かしても振り遅れにくくスライスもしにくい。

左肩を素早く引き上げる
ポイント② 肩はタテに上下させる
胸ではなく肩をタテに上下させる動きであれば、常にクラブを体の正面でさばくことができる。

肩を入れ替える
ポイント③ ボールに当たる直前に右足重心に
ダウンスウィングで左足に加重させたものを右足側に戻しながらインパクトすることで、左右の動きが拮抗して反作用が働きヘッドが加速する。

反作用でヘッドが走る
PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部
※週刊ゴルフダイジェスト8月18日号「アッパーカット打法」より一部抜粋