
【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/31.5度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/3万1900円(標準スチール1本当たり)※すべてメーカー公表値
飛びを狙いつつもいきすぎないストロング設定
GD 今回はピンゴルフ『i240アイアン』(以下、i240)を前モデルにあたる『i230アイアン』(以下、i230)と比較しながら性能を分析していただきます。「ピン」は今年、ドライバーの新作「G440シリーズ」を発売し、瞬く間に市場を席巻しています。アイアンもドライバーに負けず劣らず多岐に渡るラインナップが展開されていますね。
松尾 そうですね。「ピン」のアイアンは「G」、「i」、「ブループリント」の3種類あります。「Gシリーズ」はヘッドが大きくミスヒットの強さ、そして強めのストロングロフト設定で飛びに性能が振られている特徴があります。一方でヘッドが大きいため操作性は控えめです。
「iシリーズ」はヘッドサイズが小さくプロモデルのような外観をしていますが、「Gシリーズ」よりもロフトを寝かせたセミストロングで飛びを追求しながらも、必要最低限の操作性を持ち合わせています。
最後に「ブループリント」はツアーモデルの位置づけで小ぶりなヘッド、大きなロフト角、操作性が抜群な本格派です。

今回は「iシリーズ」の新作『i240』を前モデルと比較しながら分析する
GD 新作の『i240』は発売前から佐久間朱莉や蟬川泰果といったツアープロが実践投入しています。どんな性能になっているのでしょうか?
松尾 『i230』よりもほんの少しの飛びを求めた設定になっています。ロフト角を比較すると7番で『i230』が33.0度、『i240』が31.5度と1.5度立てられています。ストロング設定に変更されたとはいえ、30度台をキープしているので芝の上から打ってもボールが上がってくれます。

今モデルでは1.5度立てられた設定になっている
GD たびたびこの連載でも出てきた“ストロングロフトの限界”ですが、「28度がギリギリ、ボールを上げられる数値」とおっしゃっていました。『i240』はアイアン本来の芝の上から打て、上からピンを狙う要素を失うことなく、飛びを追求していると言えそうですね。他に特徴はありますか?
松尾 今モデルはミスヒットに強くなりました。ヘッドの慣性モーメント(標準値:2600~2799g・㎠)を比較すると『i230』は2741g・㎠と標準的な値でしたが、『i240』は2908g・㎠とやや大きい部類になっています。小ぶりなヘッドでありながらも、やさしさを持った性能に進化しました。
GD ピンゴルフ『i240アイアン』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 見た目の特徴に触れると強いストレートネックながらも、ほんのりグース感があるのでボールを包んでくれそうな雰囲気があります。
他には前モデルから継承されている部分があり、米国メーカーらしい大きなバウンス角が特徴で、上からダウンブローで打ち込むスウィングができるゴルファーと相性が良いです。
飛びと狙いの両方を求めるゴルファーは試打してみると良いでしょう。