ダウンブローで打てると性能が引き出せる
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO 950GH neo」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
ツアーモデルらしく操作性も兼ね備えている
クラブ長さが37.0インチと標準的ですが、クラブ重量が409.7グラムとやや重い設定です。しかしスウィングウェイトがD0.0、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが267万g・㎠が共に抑えられています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。
ヘッド形状は歴代モデルの雰囲気が継承されています。そしてフェース長が前モデルよりもわずかに長くなっています。さらに今回の日本仕様は米国仕様よりもロフトが1.5度ストロング。そして少しグース感が入っており、ソールのバウンス角が大きいです。
バウンス角が大きくダウンブローに打ち込むスウィングと相性が良い
実際に試打したところ、ヘッドはオーソドックスな形状ですが、リーディングエッジが丸く、かつトップラインも少し丸めで米国メーカーにしては、少しボールを包み込むイメージが出ています。そして一般的なアイアンよりもスコアラインの長さが短く、アドレス時にフェース中央に集中するようなイメージが出ています。試打シャフトは適度なしっかり感で、ダウンブローにも耐えてくれます。

フェースプログレッション値はストレートネックの部類だが、アドレスしてみるとグースネック感がありボールを包み込んでくれる
ロフト角は前モデルの33度設定よりも1.5度ストロングの31.5度になりました。前モデルよりもボール上がりにくいですが、少し飛距離を求めた設定になっています。またフェース面のスイートスポット高さが歴代モデルと同様に高く、ソールのバウンス角が大きいので、ダウンブローでインパクトするとミートしやすくソールの抜け感が良いです。

大きなバウンス角と高重心設定からダウンブローで打てると性能を引き出せる
前モデルと同様にフェース面が軟鉄より硬い素材です。しかしフェースの背面のバッジによって、インパクト音と硬い打感が抑えられています。
※週刊ゴルフダイジェスト 9月16日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より