
昨年まで下部ツアーなどの実況や現地リポーターを担当していた萩原
はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。
西山大広、シードから陥落もギアチェンジで逆襲態勢!

リランキング順位は13位まで上昇した西山
ツアーの賞金ランキング70位、ACNツアーポイントランキング41位につける西山大広。目指すはツアーでの悲願の1勝。
2023年の『カシオワールドオープンゴルフトーナメント』では、シード圏外から鮮やかに13位タイに食い込み、初のシード権を手中に。しかし、翌2024年シーズンは優勝争いにも顔を出したものの、賞金ランキング75位でわずか1年でのシード喪失という悔しい結果になった。
そんな彼を救ったのは、ギアチェンジ。『リシャール・ミル チャリティトーナメント』ではショットが絶好調。その秘密は、なんと2018年モデルという昔の相棒に戻したアイアンと、同大会で手に入れたオデッセイの長尺パター。トルクがなくまっすぐ打てるタイプにしたことで、パッティングが驚くほど安定したという。

ショットメーカーの西山。課題はパッティングだという
ドライバーもアイアンも得意な西山だが、真骨頂はアイアンショット。「パターがもっと入れば優勝できる」と本人も語るように、今後の快進撃はパッティングにかかっている。
大学卒業後には『サザンヤードCC』で練習をしていたそうで、「コースを知っていることはアドバンテージだと思います」と西山。最近は若手の台頭で全体のレベルが上がり、カットラインも厳しくなっていることを肌で感じ、改めてパッティングの重要性を痛感している。
一見すると強面な印象でベテランの雰囲気を醸し出すが、実はまだ27歳というギャップ萌えなお茶目な一面も。後輩にも慕われ、スキンヘッドにキャップの跡がくっきり残るほど日焼けした頭は、日々の努力を物語る勲章だ。
スタート時間:8:39(OUT)
西山大広/森博貴/梶村夕貴/玉城海伍
不屈の挑戦者、中島邦宏

練習のしすぎで腱鞘炎を発症し、一度は夢を断念したという中島
柳川高校時代は団体戦の選抜メンバーで全国大会出場、個人で『日本ジュニア』でもプレーした中島邦宏。しかし、卒業後にプロを目指して入った練習生生活で、練習のしすぎで腱鞘炎を発症し、一度は夢を断念。19歳からは建設関係の仕事に就いた。
しかし、『九州オープン』の予選を通過したことでプロへの思いが再燃。22〜23歳頃にプロ転向を決意し、2018年、24歳で見事プロテストに合格。
その頃からパターの不調は続き、サードQTで4年連続敗退し、QTランクは170番台でACNツアーには1試合出られるかどうかの位置だった。だが、2年前に長尺パターと出合い、パッティングに光が差す。鈍感に打てることで、まっすぐ打つ感覚が掴めたのだ。
今年、ACNツアーにフル参戦1年目を迎え、プロゴルファーである小田孔明の『チーム孔明』の一員に。ボギーを打たないゴルフを徹底し、ホールごとに3日間通してのスコアを決め冷静なマネジメントを心がけている。

トップ5が3回。優勝争いも3度経験している
ここまで8試合に出場し、トップ5が3回。優勝争いも3度経験し、『Novil Cup 2025』で4位、『i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』では3位、『ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山』では2位、と好成績を連発。アドレナリンが出まくるような場面でも、冷静な判断ができるのが彼の強みだ。
『i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』では1打差リードで先にホールアウトし、優勝したかに思えた。しかし、早めのスタートだったため、後続選手のプレーを待つ間に惜しくも逆転負けを喫した。
中島の最大の武器は、飛距離。キャリーで300ヤードを叩き出し、パーオン率は堂々の4位。予選ラウンドの平均ストロークが70.188(61位)なのに対し、決勝ラウンドは67.6(11位タイ)と、最終日に強い。(※2025 ACNツアー参考記録)
現在ポイントランキング10位。王座を狙う彼の今後の活躍から目が離せない!
スタート時間:9:45(OUT)
中島邦宏/杉本エリック/長谷川祥平/小寺健大
飛ばし屋の二刀流ゴルファー、櫻井勝之

ドラコンでの最高記録はボールスピード93m/sと驚異の数値
ドラコン選手としても世界を舞台に活躍した櫻井勝之。ツアーでのドライビングディスタンスは現在308.35ヤードで9位だが、本気を出せば誰も寄せ付けない実力の持ち主。
4月以降、長いトンネルに入っていたが、8月あたりからようやく光が見え始めた。しかし、バーディパットが決まらず、元々曲がりがちなティーショットがさらに曲がるという負のスパイラルに。パッティングが入らないことで心に余裕がなくなり、ドライバーにも悪影響が出るという悪循環。徐々に良くなっているものの、まだ結果には繋がっていない。パターは狙ったところに打てているため、あとはその日のグリーンのタッチに合わせるだけ。
ドラコンでの最高記録はボールスピード93m/s、飛距離421ヤードの櫻井。ドラコンで使用するクラブは別物で、ロフト角3〜5度と軽くて軟らかくして、より飛ばせるセッティングにしているとのこと。スコアが重要な試合では、ボールスピードを意図的に抑え、「ボールスピードを78m/sくらいに抑えてるかな?」と話していたが、取材中一緒に話をしていた安本選手が「絶対もっと出ている、5も抑えられるわけがない」と、最終的には82m/sくらい出ているかなと修正した。ボールスピードが85m/sを超えると曲がりやすくなるため、PGAツアー選手も同様に調整しているという分析だ。

『飛ばす』欲望を抑えられるか
ジュニアの頃から飛ばし屋だった櫻井プロに「私(女性やアマチュア)でも飛ばすためには?」という質問をすると、「重いものから軽いものという順に振ることですかね。怪我が怖くて大体の人は無意識に抑えてしまうけど、僕は『怪我してもいいや』という気持ちで全力で振っています」と話した。後日治るが、素振りをした次の日は首が痛くなるらしい。櫻井プロはドラコン選手でもあるが、この素振りをすれば誰でも飛距離アップができるとのこと。
しかし、その圧倒的な飛距離が時に仇となる。ティーショットのフェアウェイキープ率はまさかのツアー最下位(37.712%)。平均すると1日に5回しかフェアウェイを捉えられず、1日を通してフェアウェイに1回も乗らない日もあるほどだという。
「ゴルフは欲望のかたまり」という櫻井プロ。ドライバーを封印するという選択肢もあるが、飛ばしたいという欲を抑えるのは至難の業。まさに「欲を制するものがゴルフを制す」を体現している。
パターさえ入れば、好成績が続く可能性は無限大。飛距離が魅力のダイナミックなプレーは、ぜひ会場で!
スタート時間:8:50(IN)
櫻井勝之/植木祥多/竹谷佳孝/詹 耀淳(チャム・ ニクラウス)
PHOTO/大澤進二