▶ タイガーも認めるPGAツアーへの「一番の近道」! コーンフェリーツアーは“スター育成”の舞台
残り4試合で来季PGAツアー昇格圏内!
PGAツアーとともにコーンフェリーツアーも変化を続けている。来季、PGAツアーのシード権が125名から100名までに縮小される。それに伴い、コーンフェリーツアーでは今季から、PGAツアーへの昇格枠が30名から20名に縮小。PGAツアー出場の難易度が上がるにつれ、コーンフェリーツアーからの昇格難易度も上がってきているのだ。そんな昇格枠の変遷について見てみよう。
下部ツアーの昇格システムは12年前の2013年にガラリと変わった。大きな変更点はPGAツアーポイントランキング下位の選手と下部ツアー上位の選手による全3試合の“入れ替え戦”が行われるようになったこと。当時は、その「入れ替え戦」の上位25名と下部ツアーのレギュラーシーズンポイントランキング上位25名を合わせた50名がPGAツアーに昇格できたのだ。
そのシステムは2022年まで続けられ、同時にPGAツアーのQTも廃止されたため、その期間はまさに下部ツアーこそが「PGAツアーへのルート」とされた。そのシステムに変更が加えられたのが2023年。入れ替え戦として位置付けられていた「ツアーファイナルズ」は、レギュラーシーズンの獲得ポイントをそのまま引き継ぎ、下部ツアーポイントランク上位者のみによって争われる全4試合のエリートステージに姿を変えることに。
同時にPGAツアーへの切符を獲得できるのが下部ツアーのポイントランク上位30名へと大幅に削減され、今に至る。
現在、コーンフェリーツアーはレギュラーシーズンが終わって残すところは「ツアーファイナルズ」4試合のみ。そして、平田憲聖はポイントランク11位につけている。かつての「入れ替え戦」があった時代ならば、平田はすでにPGAツアーへの出場権を獲得していたが、今やファイナルズは、4試合の最終決戦の場。先は短いようで実は長い。獲得ポイントがレギュラーシーズンの500ポイントから100ポイント増の600ポイントになるため、その分ランキングの変動も激しく、最後の1戦まで気を抜くことができない。
このまま、来季PGAツアー昇格圏内をキープしてシーズンを終えられるのか。気を緩められない“最後の4戦”が待っている。
PGAツアー出場権を獲得するための“道”は2つ
ルート①
ツアーポイントリスト上位20名
この資格で出場権を得るとPGAツアーシード100名と欧州ツアーにて出場権を獲得した10名の次に優先権を得る。ただし、1位の選手はさらに出場優先度が高い。
ルート②
1シーズン中に3回勝利
3勝すると、その翌週から自動的にPGAツアーメンバーに昇格するというシステム。直近では24年にマット・マッカーティが達成。史上13人目の昇格となった。
今季も残すは4試合PGAツアー出場権は誰の手に
ポイントランク上位のみ出場できるツアーファイナルズ
・シモンズバンクオープン(上位156名出場)
・ネーションワイドチルドレンズホスピタル選手権(上位144名出場)
・コンプライアンスソリューションズ選手権(上位120名出場)
・コーンフェリーツアー選手権(上位75名出場)
賞金額が高く設定されたシーズン最後の4試合。獲得ポイントも高いため、ポイントランクの変動が激しくなるPGAツアー出場を懸けた“最後の戦い”。

平田憲聖
いまだ優勝ならずも2位が2回! 平田憲聖の今季の戦績
今季、初戦から2位タイに入り、好調なスタートを切った平田。以降もコンスタントに上位に入るなど安定感を見せ、ツアー終盤には2試合連続でトップ3入り。現状、PGAツアー出場圏内をキープしている。
1/19-22⚫︎バハマグレートアバコクラシック⚫︎2位タイ
1/30-2/2⚫︎パナマ選手権⚫︎17位タイ
2/6-9⚫︎アスタラゴルフ選手権⚫︎予選落ち
2/27-3/2⚫︎118 VISA アルゼンチンオープン⚫︎予選落ち
3/6-9⚫︎アスタラチリクラシック⚫︎3位タイ
4/3-6⚫︎クラブカー選手権⚫︎23位タイ
4/16-19⚫︎LECOM サンコーストクラシック⚫︎57位タイ
4/24-27⚫︎ベリテックスバンク選手権⚫︎18位タイ
5/1-4⚫︎トゥルム選手権⚫︎12位タイ
5/15-18⚫︎アドベントヘルス選手権⚫︎25位タイ
5/22-25⚫︎ビジット ノックスビルオープン⚫︎予選落ち
5/29-6/1⚫︎UNC ヘルス選手権⚫︎予選落ち
6/5-8⚫︎BMWチャリティプロアマ⚫︎7位タイ
6/19-22⚫︎カンザスウィチタオープン⚫︎予選落ち
6/26-29⚫︎メモリアルヘルス選手権⚫︎16位タイ
7/10-13⚫︎ジ・アセンダント⚫︎37位タイ
7/17-20⚫︎プライスカッターチャリティ選手権⚫︎予選落ち
7/24-27⚫︎NV5招待⚫︎3位タイ
7/31-8/3⚫︎ユタ選手権⚫︎2位タイ
8/7-10⚫︎ピナクルバンク選手権⚫︎予選落ち
8/14-17⚫︎アルバートソンズボイシオープン⚫︎33位タイ
現在のコーンフェリーツアー ポイントランキング 11位(※9月11日現在)
経験者に聞いた!コーンフェリーの実態
現在、欧州ツアーで戦っている桂川有人は、23年にコーンフェリーツアーに参戦経験がある。そんな桂川はコーンフェリーの実態について、「同じ海外ツアーでもコーンフェリーのほうが過酷な環境」だと話す。当時、どんな部分に苦労したのか聞いてみた。

「とても過酷で“這い上がる場所”という感じです」(桂川有人)
過酷な理由その1
サスペンデッドが多く体力的にキツい
「サスペンデッドになるとラウンドが終わるのも遅いのに、次の日早朝スタートになってしまったりして、十分睡眠が取れず体調も崩しやすかったですね。また、田舎のほうだとレストランが早く閉まるので食事にも困りました」
過酷な理由その2
移動距離が長く時差もある
「アメリカはかなり広いため、基本長時間の移動になります。時差もあるので、体力的にもハードですし、荷物が届かないハプニングなども結構あり、そういった面でも苦労しましたね。体力的にも精神的にも厳しかったです」
PHOTO/Yoshihiro Iwamoto、Hiroaki Arihara、Yoshinori Nanjyo、Getty Image