レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーのコック」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本72】
画像: ドライバーで80Y程度飛ばす練習法

ドライバーで80Y程度飛ばす練習法

まずは正しいテークバックを確認

画像: 8時のグリップの位置とヘッドのポジションを確認しながら、クラブを上げていく

8時のグリップの位置とヘッドのポジションを確認しながら、クラブを上げていく

GD ドライバーのテークバックは始動から8時の位置までは手を使わずにクラブを引き、8時の位置でテコシステム、つまりコックという形で初めて手を使ってそこから耳の高さまでグリップを上げてトップを作ることについて教えていただきました。トップまでの「8時」の通過点について口を酸っぱくして言う理由がわかった気がします。

原田 そうでしょう。ただ、8時の重要性について続きがあります。それは8時の位置ではヘッドがグリップより前でしょう?

GD 前とは、ヘッドが遅れているということですね。

原田 8時でグリップよりもヘッドが前の状態から手を耳の高さで土踏まずとかかとの横に上げていくんです。

GD そのときに9時の位置はオートマチックに通過していく感覚ですか?

クラブはインに引かないように注意

画像: クラブはインに引かないように注意する

クラブはインに引かないように注意する

原田 そうです。8時で3本の指を握りながらグリップを耳の高さに上げていけば、9時は通過するんです。8時ができれば9時は自然に通過すると考えてください。作ろうとしてはダメです。でね、このとき注意してほしいことがあります。9時の位置は体の右横なんだけど、ほとんどのアマチュアの人は直接体の横に持っていこうとするんです。その結果、正しい位置ではなく体の後ろにいってしまうんです。正しい位置よりをオーバーしてしまうんですね。

GD つまり9時の位置は8時から11時へ上げていく途中で自然に通過するものなのに、ほとんどのアマチュアは9時を意識的に通過させようとするため、正しい9時の位置を越えて体の後ろを通過してしまうということですね。

原田 別の言い方だとインに入りすぎてしまうということです。

GD クラブをインに引きすぎてしまう、これについては身に覚えがあります。一般的にスウィングの大事なことのひとつにテークバックではハーフウェイバック、つまり9時の位置を通過させ、ダウンスウィングではハーフウェイダウン、つまり9時の位置を通過させるというのがありますが、いくら意識してやってもうまくいかなかった経験があります。でも、それは意識してその位置を通過させようとしたために、結果やりすぎになっていたのですね。

原田 それはあると思いますよ。普通にスウィングするときでもトップをスリークォーターまでで打つと言いながらフルスウィングの位置に上がっている人は大勢います。ゴルフでは意識、感覚と実際は違うことが多いんです。

GD ということは9時で動きを止めて位置を確認するようなこともNGですね。

左手3本でクラブを上げる感覚を身につける

画像: 左手3本でクラブを上げる感覚を身につける

左手3本でクラブを上げる感覚を身につける

原田 9時はあくまでも8時から3本の指を握って11時にグリップを持っていく間に自然通過する場所ですから、練習中に9時で止めて位置を確認するのはいいと思いますが、実際のスウィングでは止めてはいけません。

GD でも、ハーフスウィングのときは9時を意識して作るじゃないですか。それはいいのですか?

原田 いや、ハーフスウィングも注意が必要なんです。ハーフスウィングにしても体の横、9時の位置に持ってこようとする人はほとんどが体の後ろにいってしまうんですよ。

GD 確かに……。アイアンを使ったハーフスウィングに初めて取り組んだとき、9時に上げようとすると、決まってオーバースウィングになっていたことを覚えています。それではハーフスウィングの場合はどんな意識を持てば、9時の正しい位置で止めることができるのですか?

原田 どうしてハーフスウィングで9時の位置に上げようとしても体の後ろに上がってしまうのかというとね、8時が悪いからです。

GD 8時の位置は右足の2足分右の外側でした。そしてそこまでは手を使ってクラブを引かず、左肩、体で持っていくのでした。

8時から4時、ハーフスウィングでボールを飛ばす

画像: 8時から4時、ハーフスウィングでボールを飛ばす練習。トップを8時にするくらいでも9時ぐらいまで手は上がっていい。体やグリップを止めないで、ハーフスウィングでボールを飛ばす練習をしよう

8時から4時、ハーフスウィングでボールを飛ばす練習。トップを8時にするくらいでも9時ぐらいまで手は上がっていい。体やグリップを止めないで、ハーフスウィングでボールを飛ばす練習をしよう

原田 そうです。それでね、こういう練習をしたらいいです。それは飛ばす練習ではなくて、8時から4時を繰り返し振るんです。私が8時から4時を振る意識でやって見せましょう。どうです? 8時まで上げようとしているのに9時くらいまで上がっていませんか?

GD 上がっています。

原田 そうでしょう。8時で止める意識でも、それが9時になるんですよ。だから正しいハーフスウィングの大きさをマスターするためには、8時から4時で練習するのがおススメです。

GD いわゆる「ビジネスゾーン」をこの練習でマスターできそうですし、インパクトが安定しそうです。

真っすぐボールを飛ばすためのインパクトが安定する

画像: 真っすぐボールを飛ばすためのインパクトが安定する。「体の回転で振っていきます。両肩と両腕、グリップを結んだ線でできる二等辺三角形を崩さないようにしてクラブを振ろう」(原田)

真っすぐボールを飛ばすためのインパクトが安定する。「体の回転で振っていきます。両肩と両腕、グリップを結んだ線でできる二等辺三角形を崩さないようにしてクラブを振ろう」(原田)

原田 ドライバーのスウィングを作り、ボールを真っすぐ飛ばすために大切な練習法のひとつになります。

GD そのときに8時から4時の感覚で実際にボールを打ったら、目安の距離は80ヤードくらいですか?

原田 そうですね。そのくらいでいいでしょうね。

GD 確認ですが、8時から4時までを振るときは手を使わないのですね?

原田 手はまったく使いません。体の回転で振っていきます。両肩と両腕、グリップを結んだ線でできる二等辺三角形を崩さないようにしてください。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

テークバックとバックスウィングをマスターする

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