8月に行われた小社主催の『ゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップ』。小学生の部の本選が行われた日、過去に同大会での優勝経験がある金子駆大プロによる特別レッスンが開催された。金子駆大が考える「小学生ゴルファーに必要なこと」、そして「両親がやってはいけない重要な3つのポイント」を「週刊ゴルフダイジェスト」9月23日号で伝えている。「みんゴル」でもご紹介しよう。(技術編『上手くなる3つのヒント』はこちらから
画像: わが子が「伸び悩む」親の行動とは? 金子駆大が実体験から警鐘「型にはめるな、考えを押し付けるな!」

かねここうた。2002年生まれ、愛知県出身。シード選手として2年目の今年「関西オープン」でツアー初優勝を飾った。9月4日現在、賞金ランク2位につける

やってはいけない①
型にはめて感性をつぶす

小学生の頃からメキメキと実力をつけて、同世代の中でも頭一つ二つ抜きん出た存在だった金子少年。まずは当時、どんな練習をしていて何を教わっていたのか聞いたのだが……。

「ぶっちゃけ、あんまり覚えてないんですよ。ジュニアの頃にどの大会で勝ったとかという結果もほとんど思い出せません。だから『あの時に習得したコレが今の自分の武器になっている』という技術的なことも記憶にないです。つまり何が言いたいかというと、小学生の頃なんて『そんなもんだ』ということです。成長するにつれて体つきや考え方は変わってきます。いろいろと思考して、その変化に対応するから上手くなり、自分の技術として定着すると思うんです。だから、この打ち方がいいという型にはめたり、特定の練習だけをしていなさいというのはまったくと言っていいほど意味がないと思います」

だがこの日のレッスン会では、親御さんたちからプロへの質問の多くが打ち方に関するものだった。

「皆さん、スウィングに関してとても具体的に聞いてこられてましたよね。体はどう動かすとか、クラブはどこに上げたらいいだとか。やっぱり気になるんだなと思いました。おそらく、日々それを子どもにも伝えているんだと思いますが、今すぐにやめたほうがいいですよ。だって親は教えるプロじゃないし、ゴルフのプロでもないわけですから」

画像: 金子駆大

金子駆大

親が子どもに教えたり、型にはめようとすることにはどんな弊害があるのだろうか。

「そもそも素人がするそのアドバイスが正しいものですか? と僕は疑問に思います。仮に正しいアドバイスだったとしても、選手が自分の頭で考えることがなくなるという大きな弊害が生まれます。子どもの立場になってみると、常に教えられているからそれだけやっておけばいいとなるわけです。でも、コースに出たら考えなきゃいけないことがたくさんありますよね。遭遇したことのない状況でも自分だけの力でなんとか対応しなきゃいけない。中学、高校になれば1人で練習する機会も増えるでしょう。そのすべてに立ち会ってアドバイスをすることはできないですよね。そういった対応力がそがれてしまうのは子どもの成長機会を奪っていることになると思います」

そうはいっても、近くで見ていておかしな箇所があったとしたら直してあげたくなってしまうのが親心というものだ。仮にそういったところがあっても、親が子どものスウィングを修正するようなことはしないほうがいいのだろうか。

「本人が必要だと感じれば変えるはずです。それを先回りして直すのは意味がありません。それに親御さんがおかしいと思う動きが、その子の個性だとしたらどうでしょう。グンと伸びるべきポイントを消してしまうことになります。僕らは『当て感』という言葉を使いますが、クラブヘッドをボールにどのように当てるのかというのは、選手それぞれが持っている感性です。その感性を磨くことでアプローチのバリエーションが増えたり、ボールに微妙なスピンを入れて球筋を操れるようになっていく。型にはめるというのはその感性を殺してしまうということです。小学生のうちは練習に飽きて好き勝手にボールを打ち始めるかもしれませんが、目くじらを立てて怒るのではなく見守ってあげたほうがいいと思います。感性はそういった遊びの中で磨かれるものですから。いま自分がこの立場にいるからこそ、その重要性を伝えたいと思います」

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