力が衰えてきたシニアゴルファーのパフォーマンスを引き出すクラブ設計を追求しているマジェスティ「ロイヤルシリーズ」。今回は『ロイヤルアイアン(25年)』を紹介します。“高弾道×高初速”をコンセプトに掲げています。フェースに反発の高い高強度マレージング鋼を採用したことで、反発エリアの拡大と高打ち出しを実現。さらにフェース内部のトウ側に、タングステンウェイトを配置。慣性モーメントが大きくなりミスヒットの強さも兼ね備えているとのこと。クラブ設計家の松尾好員氏と共に性能とシニアゴルファー向けのアイアンについて考察した。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/26.0度 ●ライ角/61.5度 ●価格(税込)/22万円(#6〜9、PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/26.0度 ●ライ角/61.5度 ●価格(税込)/22万円(#6〜9、PW)※すべてメーカー公表値

ユーティリティ的な立ち位置

GD 今回はマジェスティ『ロイヤルアイアン(25年)』を分析していただきます。この連載で紹介した『ロイヤルドライバー』と同じく、シニアゴルファーをターゲットにしています。

松尾 そうですね。『ロイヤルドライバー』と同様で、一般的なモデルよりもヘッド重量を軽くし、振りやすさを追求されています。

GD 振りやすさ以外にもシニア向けのアイアンというと、ロフト設定が特徴的ですよね。

松尾 はい。『ロイヤルアイアン』も7番アイアンでリアルロフト角が25.8度(カタログ表記ロフトは26度)と、かなり強いストロングロフトになっています。一般的なモデルの5番相当の値です。

通常のアイアンの5番相当のリアルロフトになっている

GD ストロングロフト設定は飛距離性能を売りにしているモデルに見られる特徴ですね。しかしこの連載でも話題にしている、地べたから打てるロフトの限界は「28度」という話に落ち着いてますよね。

松尾 実際に私以外のシニアゴルファーにも、コースで試打をしてもらっているのですが、ボールが上がりません。たまにジャストミートすると鋭い弾道で飛んでいきますが、グリーンを捉えてもスピンが足らずに止まらないんです。

GD ストロングロフト設定とセットになっているのが「幅広いソール」だと思います。ユーティリティ的な考えで、クラブが地面と設置する面積を広くし、ボールを拾いやすくする施策をしていますよね。

松尾 この『ロイヤルアイアン』も同じ設計がされています。重心深度が深くされているので、拾いやすく高さを助けるためだと思います。しかし強いストロングロフト設定の影響が大きく、上から落として止めるような本来のアイアンの機能まで至っていないのが現状です。
 
メーカーさんのゴルファーの飛距離を引き出してあげたい気持ちと、実際に起こっているボールが上がらない、止まらない問題のギャップはよく感じますね。

GD シニアゴルファーの肉体的な衰えをカバーするために、軽量なクラブ設計で振りやすさを、ストロングロフト設定で飛距離性能を追求してはいるものの、コースで扱うには難しさがあるわけですね。

松尾 はい。他にはフェースが長く、ヘッドが大きく設計されていることも多いです。打点エリアが増えますし、構えた時の安心感もあります。一方でヘッドが返りづらく、ボールがつかまらないという特徴もあります。『ロイヤルアイアン』もフェースが長く、重心距離が非常に長くなっています。ですから普段からトウヒットが多いゴルファーと相性がいいと思います。

重心距離が非常に長く、フェース面上の重心がトウ寄りになっている。トウヒットに強いヘッドだ

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