比嘉一貴、PGAツアーで叩き出した驚異の「28」

ハーフで『28』と大躍進を魅せた比嘉(撮影/有原裕晶)
特に1番(3m弱)と2番(5m)のバーディパットが真ん中から決まったことが、その後のライン読みへの自信につながり、「読みが冴えている」と確信したことが好スコアの土台を築いた 。比嘉自身が「たまたま」と謙遜するほど、タッチもライン読みも見事にハマったラウンドとなった 。
後半インコースは1ボギー(12番)ながら36で耐え 、初日の72から64へとスコアを大幅に伸ばした。「ゴルフで初めての経験ができた。すごいラッキー」との本人はコメント。パッティングに関しては、最近は順手から変えることなくフィーリングが良い状態。この日、「ゾーン」に入っていたかについては否定し、ショットがキレているわけでもない。入れごろ、外しごろを入れただけで、バーディを重ねてもリズムを崩さず、「変に意識しなくても」プレーできた心理状態がスコアにつながった。
大会出場は、松山英樹に練習ラウンドを申し込んだことがきっかけで決めた。結果的に一緒に回ることはできなかったものの、「日本で年に1回だけという大事な試合」への参戦を喜んだ。スコアメイクの目標はアウトで3アンダー以上、インはアンダーで回れればナイスプレーという戦略的な設定という。今後はアジアツアーへの参戦も続くため、「飛行機代ぐらいを稼げればいい」という気楽な気持ちも好結果を呼んだのかもしれない。
松山英樹、最低限の3アンダー、石川遼は2オーバーと苦戦

日本開催のPGAツアーで、再び優勝なるか(撮影/有原裕晶)
松山英樹は、伸ばしやすい穏やかなコンディションのなか、3バーディ、ノーボギーの68をマークし、通算2アンダーにスコアを伸ばす。終始、自分の良いショットと良いパットが決まらない苦しい展開が続いた。ショット自体は悪くないものの、コースの見た目へのアジャストが不十分であることへのもどかしさもあるという。
「横浜CCのコースに精神的にやられている」部分があると吐露しつつ、あと2日間でビッグスコアを出すための準備を進める。

14番ホールでOBを打ちトリプルボギーとなってしまう(撮影/有原裕晶)
また、石川遼はスコアを伸ばしたいコンディションのなか、2オーバーの73。トータル5オーバーでのフィニッシュとなった。ショット内容は良かったにもかかわらず、ミドルパットの距離感やラインが合わずスコアにつながらない展開。
特に14番は「ロケーション的にめちゃくちゃ苦手」なホールで、OBを打ちトリプルボギーという痛恨の結果に。苦手なロケーションに対し「コミットしきれていない」と話し、割り切るべきところと突き詰めるべきところのマネジメントの必要性を分析。残り2日間でトータルアンダーパーを目指す。
いよいよ週末のラウンドに入るが、トップとの差を詰めるビッグスコアが勝負のカギとなりそうだ。ホームを生かし、日本のファンに雄姿を見せたい松山英樹 、そして人生初のハーフスコアを叩き出した比嘉一貴の躍進に期待が高まる。誰が初代チャンピオンの栄冠をつかむのか? 週末の戦いから目が離せない!