
アニカ・インビテーショナル・アジアに参加した新地真美夏(左)と長澤愛羅
本来ならクリニックを行ってジュニアに直接指導するはずだったがあいにくの雨。急きょ室内での質疑応答に切り替えられた。まずはアニカがジュニア時代の体験談を披露。
「15歳で仕事をゴルフに決めました。とても負けず嫌いですが昔はシャイで、試合に勝ちそうになるとわざとボギーを叩いていました。人前で話すのが苦手で優勝スピーチは絶対したくなかったのです」とレジェンドの意外な一面に熱心に耳を傾けたジュニアたち。
やがて消極的な性格を克服し、スウェーデンからアメリカにゴルフ留学。「世界の向こう側に自分一人で旅立つのは怖かったけれど、それ以上に素晴らしい世界が広がっていました。皆さんも恐れず挑戦してほしいです」。
練習して技術を上げるのはもちろん、異国の地ですべてを自分で判断する。旅もまたゴルフの一部と考えるアニカ。人間として必要なスキルを学生時代に磨き、プロ入り後はツアー72勝を積み上げた。ちなみに女子の世界ランク初代ナンバーワンは彼女だ。ジュニアからは「負けた試合から学んだことは?」「プレッシャーがかかるパットの対処法は?」などの質問が飛びアニカは丁寧に答えた。
「ベストなゴルフができなかった理由を冷静に分析し失敗から学んでほしい」
緊張した場合はプレショットルーティンが重要と説き「いつも同じプレショットルーティンを心がけることで緊張は軽減されます」。最終的にはコーチに頼り切るのではなく自分で考え「自分が自分のコーチになれるのがベストです」。
久々の来日だった彼女は「今回アイス(サーティワンアイスクリーム協賛)をすくう上手な方法を学びました。生きていれば新たな発見がありますね」と愉快そうに笑った。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号「バック9」より