レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーショットが良くなるドリル」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本83】
画像: ドライバーのヘッドスピードが上がる「タオルドリル」

ドライバーのヘッドスピードが上がる「タオルドリル」

フォローサイドの動きが良くなる「タオルドリル」

画像: 「タオルドリル」はフォローサイドの動きが良くなると同時にフィニッシュの形を身につけられる

「タオルドリル」はフォローサイドの動きが良くなると同時にフィニッシュの形を身につけられる

GD 前回、フィニッシュが良くなるドリルがあると話されました。どんなドリルですか?

原田 まずひとつはね、ちょっと長めのタオルを準備してほしいんです。スポーツタオルくらいのものがいいですね。その端を結んで振るんです。

GD スポーツタオルの端をダンゴというか玉みたいに結んで使うのですね?

原田 そうです。でね、そのタオルを左手1本で持って右、左と体を回しながら振るんです。そして最後は体がターゲット方向を向いて止まったときにタオルの玉になったところが背中の右肩甲骨に当たるようにします。

正しい左肩や腕の動きの感じをつかむことができる

画像: 正しい左肩や腕の動きの感じをつかむことができます

正しい左肩や腕の動きの感じをつかむことができます

GD 私が振ると、縦に振りすぎて背中の下の方に当たってしまいます。そうでなくて上のほうの肩甲骨に当たるのが正しいと。

原田 右肩(肩甲骨)に当たるくらいがいいですね。

GD ということは最後はタオルが縦ではなく横に動く感じですね。

原田 それによって正しい左肩や腕の動きの感じをつかむことができます。で、もうひとつはアライメントスティックを使います。アライメントスティックがなければ、何か細い棒を用意してください。

GD 100円ショップで売っている植木に添える棒でもいいですか?

軽い棒で力を抜いて振る感覚をつかむ

画像: 軽い棒で力を抜いて振る感覚をつかむ。棒が右肩や右肩甲骨に当たるように振ろう

軽い棒で力を抜いて振る感覚をつかむ。棒が右肩や右肩甲骨に当たるように振ろう

原田 アライメントスティックくらいの長さで細くて軽い棒ならOKです。それをクラブに見立てて左手一本で振るんです。細い棒は軽いでしょう。軽いからすごく速く振れるし、シュッと音がしてスピード感もあります。そうすると、あ、これだけ力を抜いてもこれだけのスピードが出るって分かるんですよ。このドリルに取り組めば、トップからフィニッシュまで振っていくときに力は要らないということが感覚として分かるんです。

GD そのときの力というのは、腕を振る力と考えていいですか?

原田 いいえ、逆に腕に仕事をさせてはいけない。腕の力ではなく体を回す力でアライメントスティックを振ると、そのイメージが沸くんです。

GD 早速やってみます。あと、まだ聞きたいことがあります。トップからフィニッシュへ振っていくときに、グリップエンドをボールに向けて振っていくとオンプレーンになるというような話をよく耳にするのですが、これについて原田プロの考えを聞かせてください。

原田 ダメなのはダウンスウィングで早くクラブ(ヘッド)が落ちてしまうことなんですよ。だからグリップエンドをボールに向けてと言う人がいるんです。

フォローサイドが良くなればダウンスウィングも良くなる

画像: ダウンスウィングの形を覚えるだけでは不十分。フォローサイドの形まで一連の動きをイメージすることが大事

ダウンスウィングの形を覚えるだけでは不十分。フォローサイドの形まで一連の動きをイメージすることが大事

GD 早くクラブが落ちる、つまり手やヘッドから先に振ってしまうような人が、そういう間違いをしないために言われる言葉ということですね。

原田 それはそうなんです。確かにクラブから先に落ちない効果はあるんだけど、私は逆効果だと思っているんですよ。

GD 逆効果ですか。

原田 それだとね、インパクトの入り口はできるかもしれないけど、出口ができないんですよ。

GD インパクトの入り口と出口は前の連載で学びました。入り口はグリップが右腰の前あたり、出口は左足1本で立って体がターゲット方向に正対し、グリップエンドがおへそと向き合うのでした。その出口ができないということですか?

原田 そうです。

ダウンスウィングより意識するのはフォローサイド

画像: フォローでグリップエンドをおへそに向けるのがポイント

フォローでグリップエンドをおへそに向けるのがポイント

GD つまりインパクトの入り口では左手甲が前(ボール側)を向いていますが、インパクト付近で右手甲が前(ボール側)を向きます。左手甲と右手甲が入れ替わるような感じですよね。それがそうならずに、左手甲がずっと前を向いたままになってしまう危険があるということですか?

原田 そういうことです。グリップエンドがボールを向くように意識して下ろしてくるというやり方はありますよ。でもね、それはむしろフォローサイドで意識したいんです。フォローサイドでグリップエンドを感覚的に早く下を向けられると、ダウンスウィングでヘッドから先に下りてこないんですよ。

GD フォローサイドでグリップエンドが下を向くというのは、つまりグリップエンドが地面を指しているということですか?

原田 そうです。クラブは体の前で上下に動くという話をしましたよね。クラブは体の前で立てて使うと。クラブを立てるということをグリップエンドを中心に説明したら下を向くということになるんです。この動きができるようになれば、ヘッドが走るので、ドライバーのヘッドスピードは上がりますよ。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 梅里CC

ドライバーが良くなるコツ

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