今年の『KBCオーガスタ』の最終日の優勝争いで、パッティングだけ“左打ち”というスタイルで注目を集めた石塚祥利。実はパットイップスになったことで左打ちに変えて戦っている。そして左打ちに転向したことでパットの神髄をつかんだという。週刊ゴルフダイジェスト(12月9日号)では、どん底を味わったからこそたどり着けた技術を教えてもらった。我々にも参考になるポイントを「みんゴル」でもご紹介しよう。
画像: パターは「指が白くなるまで120%の力で握る」のが良い!? 「パターだけ左打ち」の石塚祥利プロが、イップスに苦しんだからこそ分かったパットの神髄とは

解説/石塚祥利プロ
いしづかしょうり。2003年生まれ。福岡県出身。芥屋ゴルフ倶楽部所属。2021年にツアープレーヤーに転向。高校3年のときにパッティングだけを左打ちにしてイップスを克服。高校卒業後、プロテストに合格。今シーズンは台湾ツアーで戦い、来季も台湾ツアーを中心に日本でのシード獲得を狙う

正確なインパクトを目指したらイップスになった

画像: インパクトの精度に集中したら手が動かなくなった……

インパクトの精度に集中したら手が動かなくなった……

GD 高校3年の時にイップスになったそうですね。

石塚 実は予兆は中学2年の時からありました。高3の試合で前半のハーフで1メートルを3ホール連続で3パットして完全にイップスになりました。手が動かなくてゴルフにならないと思い、試合中でしたけれど後半の9ホールを左打ちでやりました。

GD そうだったんですね。そこからずっと左打ちですか?

石塚 はい。左打ちなら手が動いてくれたので。でもそのおかげでパッティングで大切なことがわかったんです。

GD 今回はそこを教えてもらいたんですが、ポイントは何だったんでしょうか。

石塚 インパクトの形を考え始め、フェース面をボールにどう当てるかばかり考えていたら、インパクトが緩んでイップスになりました。そこで左打ちにしたわけですが、気付いたことは(インパクトの形を良くすることではなく)“順回転の転がりの良いボールを打つ”ことでした。そのためには『力感・ヘッド軌道・鈍感さ』が必要だったんです。

GD 今は完全にイップスは克服されたんですか。

石塚 完全ではありませんが、守るべきポイントがわかっているので手が動かなくなることはありませんし、逆にパットの本質がわかったので武器にしています。

左打ちパットに変更した石塚のストローク

画像: 石塚の左ストローク

石塚の左ストローク

石塚が使用するのはスコッティキャメロンのL字マレット。ボールを包み込むような感覚でストロークできるイメージが湧くので、早くボールが順回転になる良い転がりの球が打てるという

画像: 石塚が愛用するスコッティ・キャメロンのL字マレットパター

石塚が愛用するスコッティ・キャメロンのL字マレットパター

【POINT】“肩、腕、ヘッド”が連動して体全体で動くのが理想

画像: 体全体を連動することが大事

体全体を連動することが大事

入れたい気持ちが強くなると、ヘッドの動きやインパクトの形などの部分的なところばかりに意識が行ってしまい、スムーズにストロークができなくなる。インパクトの形にこだわらず、体全体でストロークすることを意識するとパットが良くなってくる。

転がりが良い順回転パット 3つの条件

①力感

②ヘッド軌道

③鈍感さ

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