
ラウンド前の練習はPW、7I、1Wの3本がおすすめ
スタート前は1Wと7番とPWの3本、球数は30球でOK

スタート前は1Wと7番とPWの3本、球数は少なくてOK
GD 前回までドライバーの正しい打ち方を多方面から学んできました。自分なりに大分理解が進んだと思います。次は実際にコースに出たときに、学んだことを少しでも生かせるかどうか。そのためにはどうしたらいいのか。原田プロの考えを聞かせてください。
原田 もちろんいろいろ方法がありますけど、まずはコースに着いたら練習場に行きますよね。そこでどんな内容の練習をしておくかが大事ですよね。
GD コースに着いたら練習しないでスタートしちゃうこともありますけど…。
原田 それは論外です。練習場がないコースなら仕方がないけど、あるなら練習場に行ってください。
GD やっぱりスタート前に少しでもボールを打っておくのとそうでないのとは違いますもんね。原田プロの場合はどんな内容の練習をしてからスタートするようにしているのですか?
原田 まずボールをたくさん打ってはいけませんよね。疲れちゃうから。コースの練習場のコイン1枚で打てる球数は大体30球前後ですから、その30球をどう使えば効率的に本番への準備ができるかを考えます。
GD 30球というと少ない気もします。
原田 いや、30球あれば十分です。それ以上打つと疲れるし、力みが出たりして、あまりいいことはないです。
GD では、原田プロは30球をどう使うのですか?
PW10球→7番10球→1W10球

30球の打ち分けはPW10球→7番10球→1W10球。PWはハーフスウィング5球、フルスウィング5球を打つ
原田 練習場に持っていくクラブはPW、7番アイアン、ドライバーの3本でいいです。30球の打ち分けはPW10球、7番アイアン10球、そしてドライバー10球になります。で、PWの10球のうち半分の5球はハーフスウィング、残り5球はフルスウィングです。
GD 3本のクラブを打っていく順番は?
原田 最初はPWでハーフスウィングから始めます。5球打ったらフルスウィングで5球打って、次は7番アイアンのフルスウィングを10球、最後がドライバーのフルスウィング10球ですね。
GD この3本をチョイスした理由は何ですか?
原田 PWはグリーン周りでも使えますから打っておいたほうがいいですし、7番アイアンは全クラブの中間のクラブです。ドライバーは一番遠くへ運んでいくクラブだからです。
GD ウェッジはPWがいいのですか?
原田 サンドウェッジでもいいですけど、PWが一番いいかな。
GD ドライバーから打たないのはなぜですか? コースで最初に打つのはドライバーのケースが多いから、練習もドライバーから打ったほうがいいというような話も聞きますが。
原田 PWからなら遠くに飛ばさなくていいからです。スタート前の練習で一番やってはいけないことは、ドライバーでいわゆる「マン振り」してしまうことなんですよね。コースに出たらできるだけ力みを抑えてリズムよく振っていきたいんです。まずPWで力まず、リズムよく振ることが大事です。
GD 力みを抑えてリズムよく。それがうまくできなくなる一番の原因が、朝の練習でいの一番に「マン振り」してしまうことなんですね。
朝の練習場では距離を出そうとしないことが大事

朝の練習場では距離を出そうとしないことが大事。7番も1Wもウェッジ感覚で打つこと
原田 それをやっちゃうとね、本番でも尾を引いてしまうんです。だから朝の練習場では距離を出そうとしないことが大切です。まだ体が固まっているような状態だから、まずは体をほぐすことを考えましょう。体をほぐし、力むことを体に覚え込ませないこと。これができるとスタートホールでいいボールが打てる確率が高まるんです。
GD で、PWでリズムを作っていくときは、原田プロのメソッドではテークバックでイメージクロックの8時の位置をグリップが通過して、しっかりとスウィングの右軸を作って、ボディーターンで左へ振っていくんですよね。
原田 そうです。最初にPWでその動きを繰り返すことでリズムを体にしみ込ませるんです。でね、そのあとの7番アイアンもドライバーもPWのリズムで振れるようにしたいんです。7番を持ってもPWのスウィングリズム、ドライバーを持ってもPWのスウィングリズムを心掛けることが大切です。
GD PWのリズムで7番アイアンやドライバーを振れるようにするためには何が大事になりますか。やっぱり力まないことですか?
原田 力まないことが一番大事ですよね。飛距離はクラブが変えてくれます。自分で飛ばそうとしないことです。
●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)
はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。
撮影協力/ ENゴルフレンジ





