レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーが良くなるフィニッシュ」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本84】
画像: ボールを真っすぐ飛ばせるドライバーのフィニッシュを解説

ボールを真っすぐ飛ばせるドライバーのフィニッシュを解説

ゴルフスウィングは振り切ることが大事

画像: 「振り切る」ことを身につける「タオルドリル」

「振り切る」ことを身につける「タオルドリル」

GD 前回、「タオルドリル」や「棒ドリル」で正しいスウィング軌道を身につけて、ドライバーのミート率の向上やヘッドスピードが上がるという話をしていただきました。そのなかで、フォローで「クラブの立ち」について話されました。今回はその続きから説明をお願いします。

原田 フォローサイドで「クラブの立ち」が遅いのはダメです。手と腕がいつまでも地面と平行になっているような動きをすると、ヘッドが正しい軌道から外れてしまうし、わきが空いてしまいますよね。

GD 「タオルドリル」のフィニッシュまでの動きですね。

原田 ゴルフスウィングは振り切ることが大事です。そのために左わきを締め、ひじを畳み、タオルの先を右の肩または肩甲骨に当てる、正しいスウィング軌道を説明しました。肩甲骨(右肩)にタオルの先が当たらない人は、タオルの先が背中に当たらないし、当たっても腰のほうに当たってしまう、これは正しい軌道ではありません。

フォローからフィニッシュでは腕を畳む

画像: フォローからフィニッシュでは腕を畳む。腕を伸ばすと振り切ることが難しい

フォローからフィニッシュでは腕を畳む。腕を伸ばすと振り切ることが難しい

GD フォローで手や腕が伸びてしまうと、正しいスウィングも正しいフィニッシュも取れないわけですね。タオルを振ってみますね。

原田 フォローで手が伸びてます。ひじを畳まなくちゃ。

GD もう一度振ってみます。ほんとだ! 左わきを締めてひじを畳んだほうが、タオルの先はフィニッシュまで動きますね。たしかにヘッドが走るっていう感覚もつかめそうです。

原田 そうです。棒やアライメントスティックを振るドリルもすすめましたが、フォローで手を伸ばすより、ひじを畳む意識を持ったほうが、音が違います。(インパクト以降の)ビュッという音が変わるでしょう。腕を伸ばすと音はしません。棒の先は止まってしまいますよね。

トッププロのスウィング写真の1枚をマネないこと

画像: トッププロのフォローの"腕伸ばし"をマネないこと。腕を伸ばすより腕を畳む意識を持つこと(撮影/岡沢裕行)

トッププロのフォローの"腕伸ばし"をマネないこと。腕を伸ばすより腕を畳む意識を持つこと(撮影/岡沢裕行)

GD 手や腕がいつまでも地面と平行になるというのは、前に教えていただいたプロのインパクトの瞬間をとらえた連続写真の1コマをまねするような動きですよね。頭を残して両手を伸ばしているように見える写真ですけど、それはプロの動きの一瞬を高速カメラでとらえたもので、プロは腕を伸ばすような意識は持っていないとのことでした。

原田 そうです。フォローでは腕を伸ばす意識はありません。

GD それについてはトップから振り下ろして腕とクラブが一瞬一直線になったら、その瞬間にはもう両ひじをたたんで肩に担ぐのが正しい動きで、これこそが真のリリースと教えていただきました。

原田 その動きが正しいです。でね、その動きを身につけるためのドリルとしてはスリークォータースウィングの大きさで振って、フォローサイドでグリップエンドが下を向くように、繰り返し練習するといいです。やみくもにフルスウィングで振ってしまうと、グリップエンドが下を向いたかどうかを自分で確認できません。

GD そのドリルではグリップエンドが下を向くのはインパクト後の意識でいいですか?

インパクト前からクラブを立てることをイメージする

画像: インパクト前からクラブを立てることをイメージする

インパクト前からクラブを立てることをイメージする

原田 いいえ、インパクトの前に意識を持ってください。ボールに当たってからでは遅いです。

GD では、体重が左に乗り、体が目標方向に向くちょっと前、体が少し右に向いているときでいいですか?

原田 それでいいですね。その一連の動きを昔風にはパンチショットといいましたね。

GD えっ、パンチショットってクラブを立ててグリップエンドを下に向けるのですか?

原田 手の動きは小さいですが、逆にヘッドの動きは大きくなります。

GD そうなのですね。パンチショットはボールに当てて終わりの打ち方だからグリップエンドは上を向いたままだと思い込んでいました。でも、そうではないと。パンチショットもしっかりクラブが立つわけですね。

パンチショットのようにクラブを立てるイメージ

画像: パンチショットのようにクラブを立てるイメージ

パンチショットのようにクラブを立てるイメージ

原田 パンチショットもしっかり体が目標方向を向いてクラブを体の前で立てるんです。

GD パンチショットも通常のショットと根幹は一緒で、ひとつの応用の形なんですね。

原田 そういうことです。

GD 最後にひとつ確認です。フォローでは手や腕を伸ばさないで、ひじを畳んでいくときに、左わきは締まります。そこからフィニッシュで左わきを空けるのは、どうしてですか?

原田 左わきを締めたままだと体の回転が止まってしまいます。わきを空けることで体の回転ができて、スウィングが大きくなり、振り切ることができるので、真っすぐボールを飛ばすことができるんです。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 梅里CC、ENゴルフレンジ

ドライバーショットの基本を解説

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