レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「スタート前のドライバー練習2」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本86】
画像: ラウンド前のドライバーの練習ポイントを解説

ラウンド前のドライバーの練習ポイントを解説

スタート前は振り上げすぎ、振りすぎに注意

画像: スタート前練習はPW、7I、1Wの3本で30球。ドライバーショットでウェッジ感覚をつかむために、同じウェッジでもバウンスの少ないPWがいい

スタート前練習はPW、7I、1Wの3本で30球。ドライバーショットでウェッジ感覚をつかむために、同じウェッジでもバウンスの少ないPWがいい

GD 前回、ラウンド前はドライバーとアイアンを打つ前に、PWのハーフショットとフルスウィングを練習してからドライバーショットもPW感覚で練習するのがいいということでした。

原田 PWは構え方が一番小さいでしょ。クラブが短いからアドレスが小さいんですよね。大きく振り上げすぎたり、大きく振りすぎたりしないのでミート率が良くなります。

GD にもかかわらず、PWでドライバーを打つみたいに振り回している人も見かけます。振り回したらPWでもミートできないですね。

原田 大きく振りすぎすことは、トップ、ダフリだけじゃなくて、空振りまでもあります。

グリップを軽く握って30球

画像: グリップは左手の小指、薬指、中指の3本で軽く握って、その他の7本の指は添えるだけという意識でショット練習する

グリップは左手の小指、薬指、中指の3本で軽く握って、その他の7本の指は添えるだけという意識でショット練習する

GD スタート前にミスが増える練習をしても意味ないですからね。原田プロの指導では最大の振り幅は手のポジションが(スウィングを時計に見立てた)イメージクロックの11時~1時です。スタート前に自分のスウィングリズムを壊さないためには、それ以上は高く振り上げたり、大きく振ったりしないようにすることが肝心ということですね。

原田 スウィングの大きさだけじゃなくて、力加減も忘れないようにしてほしいです。あくまでも力みは禁物です。

GD スタート前の練習で自分のスウィングリズムを確認するためには、自分自身でベースとなるリズムを確立しておくことが必要かと思いますが、それはアマチュアでもできますか?

原田 グリップを左手の小指、薬指、中指の3本で軽く握って、その他の7本の指は添えるだけという意識を持てば、自然に脱力ができます。その力みがない感覚をスウィング中キープするようにすれば、リズムよく振れるようになりますよ。

GD やっぱりグリップはおろそかにできないんですね。あと、ラウンド前の練習は30球程度でいいということでしたが、やっぱり目標を設定して狙って打つほうがいいですか。

力まない、マン振りしない

画像: 力まない、そしてマン振りしない。PWも7番アイアンもドライバーも同じ

力まない、そしてマン振りしない。PWも7番アイアンもドライバーも同じ

原田 目標に向かって打っていかなくちゃダメです。PWでも7番アイアンでもドライバーでもね。

GD では、PWなら前方の50ヤードのところに旗が立っていたら、そこを狙っていくとか、ドライバーなら目標方向の鉄塔右から何番目を狙うとか……。

原田 そうです。ゴルフはターゲットを狙っていくスポーツですから、日ごろの練習からから目標に向かって打っていく意識を持つことが大事ですよね。ただ、練習場で斜めに打っていく場合は、ほかのお客さんに配慮してくださいね。

GD スタート前の練習場をどう効率的に利用するかは段々分かってきました。ただアマチュアは練習場ではまずまずできたことが実際にコースに出ると全然できないことがよくあります。練習場の30球の効果をコース上で十分に発揮できたらこんなにうれしいことはありません。そのために必要なことを教えてください。

原田 力まない、そしてマン振りしないことですね。

GD 力まないことが大切だということは分かりますが、力まないようにする方法ってありますか?

フィニッシュが止まる力加減で打つこと

画像: フィニッシュが止まる力加減で打つこと

フィニッシュが止まる力加減で打つこと

原田 先程リズムよく振るための方法のところでも説明しましたが、グリップを軽く握って、フィニッシュまでリズムよく振ることですね。フィニッシュが取れれば、スウィング中の力みすぎはないはずです。そして、練習のときからコースを回るときのスウィングを想定しなくちゃいけないんです。スウィングというのは飛距離と方向性が大事ですけど、コースでのスウィングはその最大公約数を出さなくてはいけないんです。

GD 最大公約数とは飛距離と方向性のことですね。

原田 距離を出そうとすると絶対に力が入ってしまうんです。前の説明でドライバーもPWのリズム、力感で振ることが大事と言いましたが、距離に少しばかり目をつむっても方向性を重視するというバランスが大事ということです。

GD 確かにコースに出たらティーショット以外では平らなところが少ないので、フルショットできるような場面が少ないと思います。やっぱり左足下がりとかつま先下がりとかって、ややコンパクトなスウィングが求められますよね。

フルショットというのは「フルに力を出すショットではない」

画像: イメージクロックの手のポジション。右が11時~1時。フルショットとは振る力を出すショットではない。振り幅がフルということ。ドライバーは11時~1時に振り幅がフル。それ以上、高く振り上げすぎない、大きく振りすぎないようにする

イメージクロックの手のポジション。右が11時~1時。フルショットとは振る力を出すショットではない。振り幅がフルということ。ドライバーは11時~1時に振り幅がフル。それ以上、高く振り上げすぎない、大きく振りすぎないようにする

原田 ここでちょっと考えてもらいたのはね、そもそもフルショットというのはフルに力を出すショットではないということです。振り幅がフルということで力はフルではダメです。つまり大きなスウィングではあるけど、その中に力みはないということですよね。フルショットというのはスウィングの大きさのことで、力加減のことではないんですよ。

GD 原田プロのメソッドではフルの大きさというとイメージクロックの11時~1時です。でも、「力はフル」ではないわけですね。

原田 そうです。だから7時~5時、8時~4時、9時~3時、10時~2時もね、力感は全部イーブンなんです。

GD 力はどの振り幅もイーブン。クラブが動くスウィングの大きさが違っているだけということなんですね。

原田 力加減は同じでも振り幅が変わってくると、力を抜いていても(ヘッド)スピードがついてくるんです。だからドライバーのフルの振り幅(11時~1時)はヘッドスピードが速くなってきますよね。

GD 逆に考えると距離を出したいときは振り幅の大きさで出せる範囲まででよしとすることが大事なんですね。

原田 そういうことです。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 梅里CC、ENゴルフレンジ

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