
完全復活が待たれるジョーダン・スピース(写真は25年全米プロ、撮影/岩本芳弘)
本大会で注目したい選手の一人が、ジョーダン・スピースだ。
ジョーダン・スピースは、まさに“クラス11”の象徴とも言える存在だ。
「ジョーダン・スピースは、ジャスティン・トーマス、ダニエル・バーガー、ザンダー・シャウフェレら、才能豊かな選手たちが揃った“クラス11”世代の中心人物として、早くから注目を集めていました」(以下、杉澤)
スピースはメジャー4大会中3大会を制覇しており、キャリアグランドスラム達成まで残すは全米プロのみ。しかし、この最後のタイトルが未だ掴めておらず、偉業達成は持ち越しとなっている。
「以前は常に優勝争いをしていたスピースですが、近年は不調が続いています。2025シーズンはトップ10が4回、2024シーズンはトップ10が3回と、彼のポテンシャルから考えると、物足りない数字と言わざるを得ません。予選落ちは少ないものの、上位に食い込めない状況が続いています。近年は、約4年間優勝から遠ざかるなど、非常に苦しい時期を過ごしています」
2015年、21歳で「マスターズ」を制覇したスピースは、まさに時代の寵児だった。
「当時、彼のパッティングの上手さは“スピースマジック”とまで言われ、その才能はゴルフ界を席巻しました。しかし、2018年頃から徐々に調子を落とし、出口のないトンネルに迷い込んだかのような苦しい時期を過ごすこととなります」
2021年、「バレロテキサスオープン」で約3年9カ月(1351日)ぶりに優勝を飾り、完全復活をアピールしたかに見えたスピース。しかし、その後の道のりは決して平坦ではなかった。
「2024年には手首の手術を受け、再びスウィングに変化が生じたことで、苦しい時期を過ごしているようです。2022年の『RBCヘリテージ』優勝から、現在も約3年9カ月(1351日)優勝から遠ざかっているという事実が、彼の苦悩を物語っています」
不調の原因は、左手首の状態にあるのかもしれない。
「2024シーズンあたりから、左手首の状態があまり良くなく、それを庇ったりグリップの形を変更したりしている間に、本来の精度の高いショットが発揮できなくなっていったのかもしれません」
かつて”スピースマジック”とまで言われたパッティングも、近年は精彩を欠いている。その原因は、ショットの不調にあるようだ。
「理由は明確で、ショット自体が曲がってしまうため、グリーンに乗らないことが多くなっています。その結果、たまに訪れるチャンスを活かすべきところで力んでしまい、なかなか決めきれないという悪循環に陥っています。ショットの悪循環から、得意であったショートゲームも上手くいかないようになってきてしまっているようです」
「ソニーオープン・イン・ハワイ」は、スピースにとって特別な意味を持つ大会となるかもしれない。
「実はここ2年間、彼はソニーオープンには出場していません。最後に出場したのは、2023年大会。2022-2023シーズンは成績が良く、優勝はないもののトップ10は7回を記録しています。今年久しぶりに本大会に出場することで、今シーズンの流れを変えていきたいと考えているはずです。全米プロに勝ちたいので、まずは状態を上げていきたいという気持ちがあるでしょう。 今週勝てば、苦しいトンネルを抜けたあの時(2021年)と同じ『1351日』という日々を経て、再び復活を遂げることになります。そうなれば全米プロへの期待も高まるでしょう」
マキロイに続き、スピースがグランドスラムを達成するのか。まずは「ソニーオープン・イン・ハワイ」での戦いから、その復活への道のりを見届けよう!
U-NEXT 木村
