バックスピン量を安定させたい
『最も速く、最もフィッタブルなドライバー』を掲げるテーラーメイド。フィッタブルについては後述するとして、まずは速さについてひも解いていく。今回もフェーステクノロジーが進化の肝にある。フェースの歴史を振り返っていくと2018年、ゴルファーの打点傾向を分析して開発された『ツイストフェース』。フェースをねじる(ツイスト)ことでボールの曲がり幅を軽減してくれるという技術。4年後の2022年には『カーボンフェース』が登場。60層のカーボンを組み合わせることでチタンの約半分の重さになり、大幅な軽量化を実現させた。

【フェースの歴史①】
〈“ツイスト”初採用は「M3」、「M4」から〉
フェースをねじる(ツイスト)ことでボールの曲がりを軽減してくれるという技術

【フェースの歴史②】
〈カーボンフェースは「ステルス」から〉
20年間の研究の結果、満を持して登場したカーボンフェース。チタンフェースの約半分という軽量化を実現。「飛び」と「方向性」を両立させたクラブ作りを可能にした
そして今回、テーラーメイドが着目したのが、フェースの『ロール』である。ドライバーのフェースは真っ平らではなく、上下左右にわずかに丸みがある。簡単に言えば、真っ平らなフェースよりもミスを軽減してくれる効果がある。このようにツイストやカーボンなど、長年の『フェース研究』の歴史があったからこそ、今回のロールにたどり着いたとも言える。

・バルジ……横の湾曲のこと。横方向のミスヒットの曲がり幅を軽減してくれる役割がある
・ロール……縦の湾曲のことを指す。上下のミスヒット時の打ち出し屋スピン量を補正してくれる。今回の「Qi4Dシリーズ」はこのロールに着目した設計になっている
テーラーメイドの茂貫太郎氏は次のように話す。
「フィッティングをする際、ネックになっていたのが“上下の打点のズレ”でした。上に当たった時と下に当たった時の『バックスピン量』の差が大きかったので、思ったようなフィッティングができなかった。ロールさせることで、上下のスピン量の差が小さくなったんです」

「Qi35」では最もスピンの少ないエリアと多い部分の差が1300回転あった。このバラツキにより飛距離差が生まれるだけでなく、テーラーメイドが求めるフィッティングを難しくしてしまっていた。しかし今作では800回転まで抑制。安定感が増したドライバーに進化した
バックスピン量が安定すれば当然、フィッティングがしやすくなるだけでなく、実際の弾道のバラツキも減る。どこに当たってもカーボンフェースの恩恵を受けられ、“スピード”が出る仕組みになったわけだ。

〈伝家の宝刀“スピードポケット”も健在〉
テーラーメイド伝統の技術「貫通型スピードポケット」も改良が施された。サイズが少し大きく(長く)なりロール技術とともにバックスピン量の安定に貢献している
テーラーメイド「Qi4Dシリーズ」の最新テクノロジーの全容をひも解いていったが、やはり実際のフィーリングやデータを見なければ真の性能は分からない。次のページではツアープロコーチでありギアへの造詣が深い、奥嶋誠昭プロのリアルな声をお届けする。
