「週刊ゴルフダイジェスト」や「みんなのゴルフダイジェスト」で障害者ゴルフの取材記事を執筆してきたベテラン編集者が、日本だけでなく世界にアンテナを巡らせ、障害者ゴルフのさまざまな情報を紹介する連載。今回は、「君津市長杯・ジュニア&障害者交流ゴルフ大会」について。

3月23日、今年で3回目となる「君津市長杯・ジュニア&障害者交流ゴルフ大会」が新君津ベルグリーンCCで開催されました。ジュニア(1~2人)と障害者(1人)がペアとなり、交互に球を打つ「オルタネート」方式で行われる本大会。ゴルフを通じての新しい体験や交流がたくさん生まれたようです。

画像: 今年も素敵な交流が生まれました!

今年も素敵な交流が生まれました!

今回は、参加者の皆さんの声をお届けしたいと思います。

まずは、42・41の83で優勝した“約60歳差”ペアから。表彰式では「ジュニアのお姉さまに助けてもらいこのようなスコアになりました」と恥ずかしそうに語った78歳の浅野芳夫さん(右下腿切断)。「礼儀正しく、キビキビしたプレー、年上の人を気遣う心が素晴らしいです」。ペアの菅澤莉那さん(拓大紅陵高2年)は、「貴重な経験ができて楽しかった。ドライバーの飛距離、アイアン、すべて上手でした。私もドライバーはあまり曲がらなかったです」とのこと。

画像: 優勝して少し照れ臭そうな2人。78歳にして飛ばし屋・浅野さんと高校2年の菅澤さん。「若い人とプレーすることで若返ります」

優勝して少し照れ臭そうな2人。78歳にして飛ばし屋・浅野さんと高校2年の菅澤さん。「若い人とプレーすることで若返ります」

2位の小林茂プロ(下肢障害)は、「思い切りがいい。元気をもらいました」。ペアの荻窪翼さん(厚木北高2年)は「楽しい、セカンドが曲がらない、パターが上手い。僕も距離を飛ばしてなるべく楽にするようにしました」とすっかり“名コンビ”です。

3位の酒井元土さん(片マヒ)は、「今年もジュニアにおんぶに抱っこでした」と笑いながら「ドライバーは250ヤードくらい飛ぶし、どんなショットも素晴らしかった。ショットの精度の高さに日々の練習量が感じられた。地頭もいい。目土やマナーなども素晴らしい。近いうちにテレビで見ることになるでしょう」と相棒を絶賛。プロ志望だという畠山みくるさん(厚木北高1年)は、「今日、私はすべてのプレーがよかったんです。本当に楽しかった。半分マヒしているのに力強いスウィングで打てることがすごい。普段関われない方とチームで戦うことが魅力的な大会です」と“褒め返し”です。

吉田隼人プロ(右大腿切断)の組はレッスンしながらのラウンドになったようです。「いい子だし思い切りのよさと素直な性格で飲み込みも早い。100ヤード以内が上手くなれば70台は出ます。ゴルフが楽しいという気持ちを思い出させてくれました」と“初心”に戻れたことを感謝します。

“1日生徒”となった土屋なるさん(東京女学館高2年)は、ラウンド後、「めっちゃやさしかったです。いっぱい教えてくれました」と嬉しそうでした。「アイアンでバックスウィングが大きくフォローが小さいので逆のほうがいいと。最後のアプローチはそれでいい感じで打てたので褒めてもらえました。障害のある方と交流することができて視野が広がった。ゴルフがとても上手で明るく優しく打ち方などを教わりました」。

画像: 土屋なるさんが「優しく教えてくれました!」と語った吉田プロ。畠山みくるさんの「プロゴルファーの夢」に太鼓判を押す酒井さん

土屋なるさんが「優しく教えてくれました!」と語った吉田プロ。畠山みくるさんの「プロゴルファーの夢」に太鼓判を押す酒井さん

鈴木忠志さん(上肢切断)が組んだ高校3年生は先日の全国大会で16位に入った実力の持ち主。「もうスウィングができあがっていてずいぶん助けられました。ボールの行方がわからないぐらい素晴らしく飛ばす」と感心していましたが、その当人、近藤春翔さん(拓大紅陵高)は、「片手で力強いスウィングをしていました。相手がミスをしてもそれをカバーし合ったり、普段は自分のためにやるゴルフですけど、相手のためにするゴルフも楽しいなあと感じました」と、初めての経験を糧に、まずは大学ゴルフ部を目指すそうです。

障害者ゴルファーの初参加組も皆さん、ジュニアたちのプレーを見て学び、充実した時間を過ごせたそうです。

雨谷清隆さん(下肢障害)は、「元気があってパワーもあり、『すごい』の一言。挨拶やマナーもできていてよかった。このような交流が続くことが素晴らしいです」。ペアの逢坂巨希さん(四街道・旭中3年)は、「障害者の方と交流できた。ハンディがあるのに諦めずにやっているところがすごかったです」。

宮本寛之さん(弱視)は、「目土、ディボッド修復なども素早くて素晴らしかった。自分が考えている番手と違うものを使ったり、狙いどころなど判断が早く勉強になった。攻め方などを学ぶ機会となり元気をもらえました」。ペアの名雪遼斗さん(拓大紅陵高)は、「目が見えづらくてもしっかり動いていてすごかったです」とリスペクト。

三浦博之さん(知的障害)は、「ドライバーは飛ぶし、アプローチが上手かった。グリーン上のラインを丁寧に見てくれた。勉強になります」。ペアの宮振庭さん(千葉・千城台西中2年)は、「みんなで一緒にプレーして話をすることが楽しいです」。

車椅子プレーヤーと女子高生がとても楽しそうにラウンドしていたことも印象的でした。

菅原道直さん(車いす)が、「ゴルフが上手!明るく元気。礼儀正しく楽しいゴルフを心がけているところに感心しました。またぜひプレーしたい。力強さやパワーがとてもよい刺激にもなります」と言えば、山本美優さん(拓大紅陵高2年)は、「ドライバーからパターまでとにかく上手だった!パットはバンバン入れていましたし。私は250ヤードをワンオンできたこととバーディを取れたことがよかったです」

画像: 「今までゴルフしたなかで一番楽しいと感じるプレーでした」と山本美優さん。ナイスプレーには3人でハイタッチを!

「今までゴルフしたなかで一番楽しいと感じるプレーでした」と山本美優さん。ナイスプレーには3人でハイタッチを!

谷上美桜良さん(拓大紅陵2年)は、「初めてで緊張していたけれど、ネガティブなことを一切言わないポジティブゴルフでしたし、上半身だけを使って飛ばしていてすごいです。私は失敗を次のホールまで引きずらなかったのがよかったかな」と本当に楽しそうに話をしてくれました。

野島弘さん(車いす)とラウンドした明石姉妹は、野島さんの“スマイル”に魅了されたようす。姉の明石瑠花さん(拓大紅陵高2年)が「笑顔のおかげで楽しかった。自分がミスをしても笑顔で『大丈夫』と言ってくれてすごいと思いました。野島さんがショットで寄せてくれたバーディパットを決めることができてよかったです」と言えば、妹の明石瑠乃さん(拓大紅陵高1年)は「めっちゃ楽しかったです。笑顔でプレーしていて私もとても楽しくなった。ミスをしても笑顔でプレーしていて私たちを励ましてくれたり。皆で1打ずついいショットが出てバーディが取れたこともよかったです」と、“協力プレー”の楽しさも感じたようです。

画像: 野島さんの笑顔に元気とやる気をもらったという明石姉妹。夢は「プロになって賞金女王」(妹)「人を笑顔にできるような人」(姉)

野島さんの笑顔に元気とやる気をもらったという明石姉妹。夢は「プロになって賞金女王」(妹)「人を笑顔にできるような人」(姉)


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