国内女子ツアーから挑戦者が続出している米国女子ツアー、LPGA。すでに日本人のメジャーチャンピオンも誕生しているが、ツアーの裏話、選手たちの知られざる一面をレックス倉本がお届け!
画像: 11年のドン底から奇跡の復活! 元世界女王ヤニ・ツェンを救った「左パット」と、終わらない挑戦の物語

レックス倉本

名古屋GC所属。
高校卒業後、米国にゴルフ留学して、
世界中のツアーを転戦。
解説者に転身後は
現地から情報を発信。
現在はWOWOWやBS10で
LPGAやPGAツアーの解説を担当

37歳の元世界ナンバー1がついに復調か!?

近年のLPGAファンには馴染みが薄い名前かもしれませんが、宮里藍の時代から見てきた人でヤニ・ツェンのことを知らない人はいないでしょう。ツアー通算15勝、22歳でメジャー5勝目を飾り、男女問わず最年少のメジャー5勝の記録を持っています。2011年から2013年にかけて世界1位の座を109週連続で維持し、押しも押されもせぬ最強の選手でした。

そんな彼女が突如として調子を崩し始めたのが2012年の後半。それ以降、世界ランキングは2013年が34位、2014年が83位と下降の一途をたどります。不調の原因がわからず、2017年以降はメジャーでの予選通過がなく、2018年以降は通常のLPGAツアーでの予選通過すらない、まさにドン底の状態でした。しかし、2021年に腰の手術を受け、一昨年(2024年)からはパッティングを左打ちで行う大転換に取り組んで、徐々に成績が回復し始めます。

去年のAIG女子オープンでは8年ぶりのメジャー予選通過を果たしました。そして、10月に台湾で行われた欧州女子ツアーの試合で11年ぶりの優勝を飾り、地元のファンを喜ばせました。私はその時、たまたま台湾のシニアの試合に行っていて、その試合のスポンサーがヤニのスポンサーでもありました。シニアの試合の前夜祭に優勝カップと共に来場してくれて、会場は大フィーバー! 台湾での人気の高さを改めて感じました。その前夜祭で彼女は涙ながらに、今までの苦闘、もどかしさを語り、自分がまた輝くためにチャレンジすることで、若い世代のゴルファーや、すべての人に勇気を与えられれば、と言っていました。そして、何よりも挑戦する自分が好きだそうです。

不調になり始めた2012年の全米女子オープンの練習日、勝って当たり前というプレッシャーのなか、練習ラウンドのときでさえ、ミスをしたくないとガチガチになって回っていた姿を見たときに覚えた違和感と、台湾で優勝を遂げた後に見た彼女の笑顔はとても対照的でした。

先日行われたフォーティネットファウンダーズカップでは8年ぶりの米本土での予選通過を果たしています。初日の彼女の平均飛距離は294ヤード。まだまだ若い37歳、完全復活劇を期待するのは私だけではないと思います。

パッティングを左打ちにして復調。昨年10月に台湾で行われた欧州女子ツアー、ウィストロンレディスオープンでは11年ぶりの勝利を挙げた

PHOTO/Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト2026年4月14日号より

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