「週刊ゴルフダイジェスト」や「みんなのゴルフダイジェスト」で障害者ゴルフの取材記事を執筆してきたベテラン編集者が、日本だけでなく世界にアンテナを巡らせ、障害者ゴルフのさまざまな情報を紹介する連載。今回は、「特別ゲストとして参加された元プロ野球選手の皆さんのトーク」をご紹介。

今回は、先月末に行われた「君津市長杯・ジュニア&障害者交流ゴルフ大会」(新君津ベルグリーンCC)に、特別ゲストとして参加された元プロ野球選手の皆さんのラウンド後のトークを紹介しましょう。

現役時代はトップアスリートとして活躍され、現在は指導者や解説者として活動されている皆さんです。この大会をサポートしている三光電気工事社長、船瀬茂氏も元甲子園球児で現在も野球教室を開催されており、その昔からの人脈でビッグな元プロ野球選手、平石洋介氏、清水直行氏、西山秀二氏、田中幸雄氏、中根仁氏、今江敏晃氏が本大会の趣旨に賛同し参加しているのです。

画像: ゴルフも大好き!楽しそうにラウンドする元プロ野球選手の皆さん。「次回は、一緒にラウンドする機会があってもいいですね」(船瀬社長)

ゴルフも大好き!楽しそうにラウンドする元プロ野球選手の皆さん。「次回は、一緒にラウンドする機会があってもいいですね」(船瀬社長)

皆さんそれぞれジュニア時代から野球一筋。どんな練習が自分を育て今につながっているのか、時代は変わっても共通する“大事”はあるものです。

画像: 大会後、トークショーで自身の経験を語る皆さん。コースでプレーするときより何だか真面目な顔になっていました

大会後、トークショーで自身の経験を語る皆さん。コースでプレーするときより何だか真面目な顔になっていました

まずは今江敏晃さん。この日は思ったようなプレーができなかったと言いながら「81」のラウンド。ブレない目標を持つことの大切さを語ります。

「中学のときは野球だけやって親にお世話になっていればよかったけど、PL学園は全寮制で私生活なども先輩のお世話をしながら練習もしなければいけない。野球のレベルも高いし上下関係も厳しい。自分は何をしにきたのだろうと迷いが出たこともある。でも『プロ野球選手になる』という夢があったので頑張れました。皆さんもずっとゴルフをされていて、どんなに厳しいことや辛いことがあっても『プロゴルファーを目指す』という夢は心に置いて頑張ってほしいです。また、指導者としての経験からいうと、僕たちは何とか先輩たちに付いていかないといけなかったけれど、今の時代は“かまってほしい”と考える学生が多い。そのなかでも自分でしっかり先輩や指導者の方と積極的にコミュニケーションを取る向上心がある人は上手くなっていく。ゴルフは個人競技ですが、周りの方としっかりコミュニケーションを作るのは大事だと思います」

画像: 今江敏晃さん

今江敏晃さん

中根仁氏は、体の故障をしたときの向き合い方が大事だと語ります。

「高校のとき2回ひざをケガして、1度は春の甲子園でベンチにも入れませんでした。実は現役中にも9回手術しました。障害者の方もそうですけど、子どもたちにも、ケガなどいろいろあってもくじけないで上を向いてやってほしいと伝えたいですね。僕も心が折れそうになったり下を向きそうになったりした時期はありますけど、今の医療だったら必ず治る、きちんとリハビリすれば必ずいい方向にいくと信じて、下を向かずに頑張ってほしい。何があっても上を向いて、そして焦らずにやっていけば必ず大丈夫です」

画像: 中根仁さん

中根仁さん

西山秀二氏は、高校時代は苦しかった思い出しかないと言いながら、「でも、その与えられていたことを無我夢中で先輩や指導者に付いて行ってこなしていたことが、知らないうちに力を付けてくれた」と語ります。

「自分の体に覚え込ませることは大事。僕はプロ野球に入れるとは思っていなかったけど、最終的に入れたのはそのおかげです。そして指導者・コーチをやって選手を見て感じるのは、自分できちっとした練習をして、自分で『これだ』、『こうやったら打てるんだ』ということをつかんでないと実際のゲームで打席に立っても打てないということ。練習でできないことは試合ではできません。だから地力を付けることが大事なのです。ゴルファーでプロを目指している方も同じ。最後の1mのパットが無意識で入るか、ビビッて外してしまうか。それが入るまで練習して自分でつかんでほしいです」

画像: 西山秀二さん

西山秀二さん

この日も70台でしっかりラウンドしたゴルフでも“強者”の田中幸雄氏も、野球もゴルフも「練習しかないですね」と言います。

「1年目から1軍で出させてもらいましたけど、先輩たちのように体もできてないしパワーもスピードもない。今のようにウェイトトレーニングが普通ではない時代でしたけど、自分でやっていました。試合中不安だらけで自信がないという状態を消すためには練習するしかない。練習法は皆違います。コーチたちとしっかり話をして、自分で考えて自分に合うものを見つけ、自分で身に付けていくしかないのです」

画像: 田中幸雄さん

田中幸雄さん

清水直行氏は、大舞台で強かった現役時代の心の持ち方を伝えてくれました。

「“プレーボール”の声がかかって投げる前までは、チームのためを考えたりしてすごく責任を背負っていますけど、1球投げたら『しーらない』くらいの感じで(笑)、始まったら自分のやることをやるという気持ちでした。そのくらいじゃないと持ちません。ゴルフもここぞのとき、集中しすぎもダメだと思うし、力んだらダメだし力を抜きすぎてもダメ。グルグル回りますよね。結局、いろいろと試して自分の確率の高いほうを選んでいくのだと思います。答えはわからないからとにかく練習。でもヒントを教えてくれる方は周りにいると思いますから、コミュニケーションは取る必要があります」

画像: 清水直行さん

清水直行さん

平石洋介氏は、PL学園時代の厳しさは野球に関してだけではなく、人との接し方などにも及び、それが今につながっていると語ります。

「目上の方に対することや、“目配り気張り心配り”と、いろいろ教わったことが自分のなかにあります。若い頃にはわからなくても、今になって感じることも多いんです。人と関わることが人生の大半です。助けていただくのも人、言葉は悪いけど面倒くさくなるのも人、でも人がいないと生きていけない。その人との関わり方の基本のようなものを学びました」

画像: 平石洋介さん

平石洋介さん

障害者ゴルファーもジュニアゴルファーも、今後へのきっかけとなるヒントをもらったのではないでしょうか。

PHOTO/Yasuo Masuda

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