「みんなのゴルフダイジェスト」のフォロワーの間で根強い人気を見せているのが、4スタンス理論に関する記事である。そこで、今回は4スタンス理論とはどのようなものなのか、あらためて追いかけてみることにしよう。実質的初回となる今回は現役最強のスコッティ・シェフラーを解説してもらった。

2025年4月現在、圧倒的な強さで世界ランク1位に輝くスコッティ・シェフラーですが、彼はジャック・ニクラスや尾崎将司プロと同じ「B2タイプ」です。全身の高い柔軟性としなやかな体使いが特徴で、首の付け根を軸にキレイに回るスウィングが精度の高いショットを生み出しています。
 

画像: 飛球線後方からのフィニッシュ(25年全米プロ、撮影/岩本芳弘)

飛球線後方からのフィニッシュ(25年全米プロ、撮影/岩本芳弘)

まずは、飛球線後方からフィニッシュを見てください。体がボール側にたわみ(右肩が下がり)、前傾角度が保たれていることがわかると思います。これはふところを作って、ひじの通り道を確保したがるクロスタイプ(A1とB2)に共通するポイントです。よく、「フィニッシュでは左足1本で真っすぐに立ちなさい」などと言われますが、後方から見たとき、体が垂直になるのはパラレルタイプ(A2とB1)のフィニッシュ。クロスタイプがこれを意識すると、スムーズな動作を阻害してしまうので注意してください。

次に、フィニッシュからクラブを振り戻したときのグリップの位置に注目すると、シェフラーはグリップが腰のところに下りてきているのがわかります。このように、フィニッシュからの振り戻しが大きいのがB2の特徴です(A1であれば、振り戻しが小さく、振り戻したときに、ひじがみぞおちの高さに収まる)。さらに、バックスウィングでひざが柔らかく動いてから、手が動き出すところ。時間をかけて切り返し、下半身がうねってから手が下りてくるところなどもB2の特徴で、ゆえにシェフラーはB2と判断することができるというわけです。

【動画】スコッティ・シェフラーのスウィングスローモーション【PGAツアー公式YouTube】

画像: Scottie Scheffler's golf swing | ULTRA slow-motion camera www.youtube.com

Scottie Scheffler's golf swing | ULTRA slow-motion camera

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さて、シェフラーといえば、スウィングの途中で足を地面から外してしまう動作が有名ですが、これは自分が打とうとした球に対してのズレを、本能的に修正する動作と言えるでしょう。コースの中にはさまざまなアンジュレーションがありますし、プロは状況によってさまざまな球を打ち分けようとします。その中で、「わずかに違う」と感じることは多々あるわけです。そのとき、多くの選手は別の部位で修正を試みるわけですが、シェフラーはそれを、感じたままに足でやってしまっているのでしょう。

画像: 26年キャデラック選手権初日のスコッティ・シェフラー(撮影/岩本芳弘)

26年キャデラック選手権初日のスコッティ・シェフラー(撮影/岩本芳弘)

これについては、様々な見解があると思いますが、スポーツにはこの「野性」の部分がとても大切だと、私は考えています。もちろん、理性や知性は大事。でも、その野性の強さがシェフラーのアスリートとしてのスケールの大きさにつながっていると私は思うのです。シェフラーを見ていると、頭で考えて体を動かすのではなく、「このボールを打ちたい」という意識だけで、体が操作されてしまっているように思えます。B2の特性に逆らわず、本能と野性のままにプレーができる。そんな高い身体能力、身体感覚が高いパフォーマンスにつながっているのが、スコッティ・シェフラーという選手なのでしょう。

▶第1回「4スタンス理論を詳しく説明! あなたのタイプの見つけ方」を読む

 

画像3: シェフラーはジャンボ尾崎と同じB2タイプだった!【4スタンス理論で探す最高のお手本#2】

監修/廣戸聡一(レッシュプロジェクト代表) 
ひろとそういち。1961年生まれ。一般社団法人『レッシュプロジェクト』代表。スポーツ整体『廣戸道場』主宰。幼少時より、野球、剣道、格闘技を経験。高校卒業後、施療を学び、施療家の道を進む。現在は、施療家として、また一流のアスリートや芸能関係者を対象とした、体のケア、トレーニング、食事面の総合アドバイザーとして活躍中。JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ、日本高等学校ゴルフ連盟公式強化役員、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを務め、2011年『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞する。


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