ミズノは軟式野球の複合バットから着想を得た、ナノアロイフェースを搭載した「JPX ONE シリーズ」を新たに開発しました。インパクトでフェースがたわむことで、ボールを変形させずに、エネルギーロスなく高初速で飛ばせると謳っています。今回は「JPX ONE セレクトドライバー」をクラブ設計家の松尾好員氏と共に、性能を分析しました。
基準ヘッドは9.0度、データは実測値です
画像: 【試打クラブスペック】●ロフト角/9.0度 ●ライ角/59.0度 ●ヘッド体積/460cc ●価格(税込)/9万2400円※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】●ロフト角/9.0度 ●ライ角/59.0度 ●ヘッド体積/460cc ●価格(税込)/9万2400円※すべてメーカー公表値

正確なミート力とパワーが必要

GD 今回はミズノ「JPX ONE セレクトドライバー」(以下、セレクト)を分析していただきます。この連載でも兄弟モデルの「JPX ONE ドライバー」(以下、ONE)を取り上げましたね。

松尾 はい。性能をおさらいすると、重心深度が非常に深くなっており、ミズノのドライバーとしては珍しい設計でした。そしてヘッドの慣性モーメントが大きく、ミスヒットの強さを持っています。さらに高重心設計で、スピンが入りづらいゴルファーが使うと、キャリーが安定するドライバーでしたね。

画像1: 左から「JPX ONE セレクト」、「JPX ONE」

左から「JPX ONE セレクト」、「JPX ONE」

GD 「セレクト」はどんな性能になっていますか?

松尾 「ONE」とは打って変わり、上級者向けのモデルです。1番の特徴はロフトラインナップが、9.0度のみというところです。
 
加えて、ヘッドの慣性モーメント(標準値:4600〜4799g・㎠)が4664g・㎠と、標準的です。「ONE」は5199g・㎠と大きな部類でしたから、「セレクト」はある程度のミート力が必要になります。

GD ロフトラインナップが9.0度のみとなると、パワーも必要になりそうですね。

松尾 そうですね。データだけでの判断ですが、ヘッドスピードが48m/s程度、270〜280ヤードを飛ばせるパワーは必要かと。また「ONE」は高重心設計でしたが、「セレクト」は標準値程度なので、自力でボールを上げなければなりません。

GD シリーズ共通のテクノロジーには、“ナノアロイフェース”が採用されていますね。インパクト時の衝撃でボール形状を変えずに、フェースがたわむことで、エネルギーロスなく飛ばせるとのことです。

松尾 「セレクト」に関して言えば、新フェースと小さいロフトの組み合わせで、飛距離性能を高める狙いがあるのかもしれません。

GD 今年は全体的にフェースの進化が進んだように感じます。他社で言えばテーラーメイドが「ステルス」でカーボンフェースを打ち出し、「Qi4Dシリーズ」では4代目になりました。そしてキャロウェイも「クアンタムシリーズ」で3層構造のフェースを搭載していますね。

画像: 左から「Qi4D」、「クアンタム♢♢♢MAX」

左から「Qi4D」、「クアンタム♢♢♢MAX」

松尾 実は「ステルス」が世に出る前にも、各社で樹脂素材やカーボン素材をフェースの表側なり裏側なりに接着して、耐久性能があるものを作ることはしていました。しかし途中で剥がれてしまうため、製品化がなかなか難しかったんです。

GD つまり安定したフェース製造が可能になったわけですね。来年以降、それぞれのフェース設計がどこまで進化するのか、注目ですね。


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