「週刊ゴルフダイジェスト」や「みんなのゴルフダイジェスト」で障害者ゴルフの取材記事を執筆してきたベテラン編集者が、日本だけでなく世界にアンテナを巡らせ、障害者ゴルフのさまざまな情報を紹介する連載。今回は今年の「G4Dオープン」を終え、欧州障害者ゴルフ協会(EDGA)の敏腕記者、ベン・エヴァンス氏からの寄稿記事を紹介します。

高まる日本の影響力

初日に茂がパッティングの練習をしていたとき、彼はイングランドの選手であるテリー・カービーの隣で練習していました。ともに70歳の2人は、数週間しか誕生日が違わず、自分たちがウェールズにおける2人の最年長者であることに気づいていませんでした。彼らが共有する絆は、このインクルーシブなスポーツにおいては、“経験年数”となるのでしょう。

また、近くでパッティングをしていたのは、世界ランク11位で、昨年第30回日本障害者オープンゴルフ選手権で優勝したスペインのフアン・ポスティゴでした。前述の韓国のサイモン・リーは、日本のグリコパラゴルフ選手権で3度の優勝経験があり、こうした競技上のつながりは、日本のG4Dが提供する価値をさらに深く示しています。

一方、EDGAは、日本障害者ゴルフ協会が運営し、6月に小淵沢カントリークラブで開催される第4回日本障害者ゴルフグランプリオープン選手権のサポーターでもあります。ヨーロッパや他の大陸から、より多くの選手がこの存在感が高まりつつあるトーナメントに出場することが期待されています。

G4Dオープンのあらゆる利点についてより広く語るなかで、R&AのGB&I(英国およびアイルランド)およびアフリカの開発ディレクターであるケビン・バーカー氏は次のように述べています。

「私たちはこの選手権を、障害者ゴルフの最高峰と見ています。私たちはゴルフが社会を真に反映したものになってほしいと願っています。性別、ジェンダー、民族に関係なく、健常者であれ障害者であれ、人々にゴルフは自分たちのためのスポーツだと考えてもらいたいのです。これは私たちにとって、障害を持つゴルファーに何ができるかを示す絶好のショーピース(披露の場)の機会なのです」

「志」は重要な一歩

JDGAの石塚義将氏と『週刊ゴルフダイジェスト』誌の吉竹鎮代氏は、この3人の選手たちとともに、日本にG4Dのポジティブなメッセージを広める上でそれぞれ重要な役割を果たしました。R&A、DPワールドツアー、EDGAからなるセルティックマナーのメディアグループに加わったこの2人は、ウェールズで国籍を問わず選手たちに会い、インタビューを行うことで、日本の読者のためにこのスポーツを広く知ってもらおうと精力的に活動しました。

吉竹氏は、日本の障害者ゴルフは多くの課題に直面していると語りました。

「その中には、障害を持つ人々がバリアフリーでプレーできるコースの不足や、協会や個人の選手の活動を支援するスポンサーの欠如が含まれます。これらの問題を解決するには、より多くの認知と幅広い参加が不可欠です。だからこそ私は、日本人選手が世界という舞台で挑戦している姿を広くアピールしたいのです。彼らが障害者のための国際的なゴルフトーナメントで活躍することで、仲間の障害を持つゴルファーだけでなく、ゴルフを始めようと考えている子どもたちや障害を持つ人々にとっても、ロールモデルでありインスピレーションの源となるでしょう。憧れや志を抱くことこそが、偉大なる第一歩なのです」

画像: 今年もいろいろな選手たちが、快くインタビューに応じてくれました。それぞれに“物語”があり、“言葉”がある。素晴らしいです

今年もいろいろな選手たちが、快くインタビューに応じてくれました。それぞれに“物語”があり、“言葉”がある。素晴らしいです

この強い志を胸に、ウェールズでの日本選手団の素晴らしい奮闘は、日本国内だけでなく、広く国際的にもG4Dの普及に大きく貢献したに違いありません。

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