
ザンダー・シャウフェレのスウィングの一連の動きは精度が高い(25年、撮影/姉﨑正)
ザンダー・シャウフェレに見る「A1タイプ」の左足の使い方

クロスタイプ(A1とB2)の特徴は、フィニッシュまで前傾角度が保たれていること(撮影/有原裕晶)
今回は、東京オリンピックの金メダリスト、ザンダー・シャウフェレ選手を見ていくことにしましょう。安定したショットには定評のあるシャウフェレ選手ですが、彼はジョン・ラーム選手、ミンウ・リー選手などと同じA1タイプです。
まず、飛球線後方からスウィングを見ると、フィニッシュまで前傾角度が崩れていないことがわかります。これはクロスタイプ(A1とB2)の特徴です。次に、体の正面からスウィングを見ると、ダウンスウィングからインパクトにかけて、しっかりと左足に踏み込み、左足がほぼ垂直な状態でインパクトしていることがわかります。このように、前足となる左足を軸にパワーを生み出していくのがAタイプの特徴で、結果としてシャウフェレ選手がA1タイプだと判断できるというわけです。

左足を軸にパワーを伝達している(撮影/岡沢裕行)
シャウフェレ選手の魅力は、始動からフィニッシュまでの動きが、どこをとっても精度が高く、完成度の高いもので構成されているところにあります。ひとつひとつの動きをきめ細やかにコントロールできているとも言えますが、それが安定したショットにつながっているのです。
これは少し難しい話になってしまうかもしれませんが、一流のアスリートになるほど、無意識のうちに、ひとつの動きを細分化してとらえ、それらを高いレベルでコントロールしています。これは、パラパラマンガやアニメーションのようなものをイメージしてもらうとわかりやすいと思うのですが、パラパラマンガはコマ数が少ないほど動きが荒くなり、コマ数が多いほど動きがなめらかになります。これと同じように、一流のアスリートほど、ひとつの動きを多くのコマ数(細かいビート数)でとらえることができるのです。
たとえば、バックスウィングが1、ダウンスウィングが2というように、上げて下ろす動きを2コマ(2ビート)でとらえてしまうと、動きが荒くなり、途中の動きが雑になってしまいます。それに対して、上げて下ろす動きを何10コマに分けて、トランプを高速で切るように、一定の速度の細かいビートでとらえることができれば、動きはなめらかになり、ひとつひとつの動きを高い精度でコントロールできるというわけです。
では、どうしたらシャウフェレ選手のように、ひとつの動きを細かいビートでとらえ、動きの精度を高められるのか? ここでやってもらいたいのが、細かいビートを意識しながらイスに座って立ち上がる練習です。このとき、1で座って、2で立ち上がるのではなく「1、2、3、4、5、6、7、8」というように、一定の速度で細かいビートを刻みながら座り、「1、2、3、4、5、6、7、8」と同じビートで立ち上がるのがポイントです(はじめのうちはビート数が多いと難しいので8ビートくらいがおすすめ)。そして、これを何回か繰り返したら球を打ってください。
ちなみに、球を打つときにはビートを意識する必要はありません。細かいビートを意識しながらイスに座って、立ち上がる練習を繰り返してもらえば、脳と体のビートが自然に変わり、動作を細かいビートでとらえられるようになります。ですから、実際に球を打つときにはビートを意識する必要はないのです。この練習は、A1タイプに限らず、すべてのタイプのプレーヤーに効果があるものなので、興味のある方はぜひ試してもらいたいと思います。
▶第1回「4スタンス理論を詳しく説明! あなたのタイプの見つけ方」を読む





