米国イリノイ州のメダイナCC(7548ヤード・パー70)で開幕した2026年「プレジデンツカップ」。大会初日は各選手が自身のボールを打ち、良いほうのスコアを採用するフォーボール(ベストボール)方式のダブルスマッチ5試合が行われた。圧倒的な選手層を誇る米国選抜が3勝2敗とリードを奪う中、インターナショナルチーム(世界選抜)に貴重な白星をもたらしたのが、松山英樹と久常涼の日本ペア、そしてトム・キムとキム・シウーの韓国ペアだった。キャメロン・ヤングとザンダー・シャウフェレという米国の強力タッグを「3&1」で撃破した日本ペア。プレジデンツカップにおける日本人ペアの勝利は、世界選抜が歴史上唯一の勝利を飾った1998年大会(丸山茂樹&尾崎直道)以来、実に28年ぶりとなる歴史的な1勝だった。その勝利の裏には、極限の重圧と、それを乗り越えた人間ドラマがあった。

1番ティーの衝撃――「手が震え、心臓が破れそうだった」

「1番ティーでは手が震え、心臓が破れそうでした。フェアウェイがとても広く見えたはずなのに、すごく狭く、閉ざされているように感じたんです」

プレジデンツカップという大舞台に初めて立った24歳のルーキー、久常涼は、スタート時の極限状態をそう生々しく振り返った。国を背負う重圧と、異様な熱気に包まれる第1打。普段はアグレッシブなプレーが持ち味の若武者でさえ、自分を見失いそうになるほどのプレッシャーだった。

しかし、そんな彼を救ったのは、隣に立つ頼もしい先輩の存在だった。

「今日は松山さんと一緒だったことで、緊張が和らぎました。彼とは友人でもあり、彼が自分のゴルフを分かってくれているからこそ、自由にプレーすることができました」と久常。自身より飛距離の出る松山を頼りに、まずはフェアウェイをキープして先輩に託す。互いを知り尽くした関係性が、ルーキーに伸び伸びとしたプレーを取り戻させたのだ。

「ずっと待っていた」エース松山英樹の感慨と手応え

画像: 松山英樹にとって、久常涼とのペアはまさに待ち望んだ1日となったはずだ

松山英樹にとって、久常涼とのペアはまさに待ち望んだ1日となったはずだ

一方、自身7度目の出場でプレジデンツカップ通算10勝目を挙げたベテラン・松山英樹にとっても、この勝利は格別なものだった。

「日本人の選手がもう一人来て、一緒にプレーできるのをずっと待っていました。今日は本当に嬉しかった」

そう感慨深げに語った松山は、「僕はスロースタートだったけれど、彼(久常)がカバーしてくれて、今日ポイントを取ることができました」と、見事に重圧を跳ね除けた後輩の活躍を素直に称賛した。

インターナショナルチームを率いるジェフ・オギルビー主将も、この日本ペアの化学反応を手放しで絶賛している。

「24歳の彼にとって、松山英樹は日本の若いゴルファー全員にとっての巨大なヒーローです。その憧れの存在とプレジデンツカップの初日に一緒にプレーできるなんて、どれほど素晴らしい経験か。彼らは同じ国出身という共通の絆があり、チームルームのエネルギーを大いに高めてくれました」

2日目は「7&6」の爆発力を誇る黄金コンビ・イム・ソンジェと再結成!

初日を終え、チームに勢いをもたらした日本タッグ。2日目のフォーサム(交互打法)方式では、久常が温存される一方で、初日の勝利で勢いに乗る松山は韓国のイム・ソンジェとタッグを結成する。

この2人は前回2024年大会(モントリオール)のフォーサムにおいて、米国最強のカントレー&シャウフェレ組を「7&6(12ホール決着)」という大会史上最大差タイ記録で圧倒した黄金コンビだ。

ルーキーが覚醒し、エースがそれを導いた初日の大きな1勝。そして2日目に投入される最強タッグ。劣勢からの逆転を狙うインターナショナルチーム全体に、大きな勇気と強力な波及効果をもたらすはずだ。

写真/Getty Images


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