1番ティーの衝撃――「手が震え、心臓が破れそうだった」
「1番ティーでは手が震え、心臓が破れそうでした。フェアウェイがとても広く見えたはずなのに、すごく狭く、閉ざされているように感じたんです」
プレジデンツカップという大舞台に初めて立った24歳のルーキー、久常涼は、スタート時の極限状態をそう生々しく振り返った。国を背負う重圧と、異様な熱気に包まれる第1打。普段はアグレッシブなプレーが持ち味の若武者でさえ、自分を見失いそうになるほどのプレッシャーだった。
しかし、そんな彼を救ったのは、隣に立つ頼もしい先輩の存在だった。
「今日は松山さんと一緒だったことで、緊張が和らぎました。彼とは友人でもあり、彼が自分のゴルフを分かってくれているからこそ、自由にプレーすることができました」と久常。自身より飛距離の出る松山を頼りに、まずはフェアウェイをキープして先輩に託す。互いを知り尽くした関係性が、ルーキーに伸び伸びとしたプレーを取り戻させたのだ。
「ずっと待っていた」エース松山英樹の感慨と手応え

松山英樹にとって、久常涼とのペアはまさに待ち望んだ1日となったはずだ
一方、自身7度目の出場でプレジデンツカップ通算10勝目を挙げたベテラン・松山英樹にとっても、この勝利は格別なものだった。
「日本人の選手がもう一人来て、一緒にプレーできるのをずっと待っていました。今日は本当に嬉しかった」
そう感慨深げに語った松山は、「僕はスロースタートだったけれど、彼(久常)がカバーしてくれて、今日ポイントを取ることができました」と、見事に重圧を跳ね除けた後輩の活躍を素直に称賛した。
インターナショナルチームを率いるジェフ・オギルビー主将も、この日本ペアの化学反応を手放しで絶賛している。
「24歳の彼にとって、松山英樹は日本の若いゴルファー全員にとっての巨大なヒーローです。その憧れの存在とプレジデンツカップの初日に一緒にプレーできるなんて、どれほど素晴らしい経験か。彼らは同じ国出身という共通の絆があり、チームルームのエネルギーを大いに高めてくれました」
2日目は「7&6」の爆発力を誇る黄金コンビ・イム・ソンジェと再結成!
初日を終え、チームに勢いをもたらした日本タッグ。2日目のフォーサム(交互打法)方式では、久常が温存される一方で、初日の勝利で勢いに乗る松山は韓国のイム・ソンジェとタッグを結成する。
この2人は前回2024年大会(モントリオール)のフォーサムにおいて、米国最強のカントレー&シャウフェレ組を「7&6(12ホール決着)」という大会史上最大差タイ記録で圧倒した黄金コンビだ。
ルーキーが覚醒し、エースがそれを導いた初日の大きな1勝。そして2日目に投入される最強タッグ。劣勢からの逆転を狙うインターナショナルチーム全体に、大きな勇気と強力な波及効果をもたらすはずだ。
写真/Getty Images
