「ベイカレントクラシック by レクサス」の2日目。初日は穏やかだった横浜カントリークラブ(7322ヤード・パー71)が、突如としてPGAツアー特有の牙を剥いた。急激に硬く速く仕上げられたグリーンを前に、初日好発進を見せた日本勢の多くがスコアメイクに苦しむ展開となった。通算3アンダーの30位タイへと後退したエース・松山英樹のプレーを中心に、世界基準のセッティングがいかに選手たちのマネジメントを狂わせ、リスク管理の境界線を突きつけているのかを解剖する。

松山英樹のスコアメイクと自己分析

画像: 自身が話すように「SG: Off The Tee」は初日「0.667(24位)」2日目「0.604(22位)」と決して悪くない松山英樹

自身が話すように「SG: Off The Tee」は初日「0.667(24位)」2日目「0.604(22位)」と決して悪くない松山英樹

初日「67」から一転、第2ラウンドは1オーバーの「72」とスコアを落とした松山。しかしラウンド後の自己分析は、「昨日と今日のスコア差ほど状態は悪く感じていない」と、決して悲観的なものではなかった。ティーショットは安定しており、不調がスコア直結の要因ではないと捉えている。

象徴的だったのは、スコアを伸ばしたい前半4番・6番のパー5を巡るシーンだ。松山は4番でのマネジメントについて、「距離的にも2打でグリーンには絶対に乗せたいところ。バンカーに入ってしまった以上は難しいバンカーショットになるのは分かっていた。(ピンの)ギリギリを狙った結果(入ってしまった)」と振り返る。

4番でチャンスを逃してパーにとどまると、続く6番(パー5)では痛恨のボギー。PGAツアーのシビアなセッティングにおいてバーディを奪うために「どこまでリスクを取るか」という境界線を攻めた結果の代償と言える。

硬いグリーンに対して安全なルートを辿るだけではスコアは伸ばせない。攻めと守りの極限の判断が要求されるのが、PGAツアーの恐ろしさだ。

日本勢が直面した「硬く速いグリーン」の罠

この「硬く速いグリーン」という罠に苦しめられたのは松山だけではない。

画像: PGAツアーで飛躍の年を迎えた久常涼。対応力で横浜CCの難グリーンを攻略できるか!?

PGAツアーで飛躍の年を迎えた久常涼。対応力で横浜CCの難グリーンを攻略できるか!?

通算4アンダーで26位タイにつける海外組の久常涼も、スコアを伸ばしきれなかった要因をグリーン上に求めている。「ショットは良いが、構えのズレを意識してもうまくいかず、自分の思ったような軌道で転がっていない」と、繊細なタッチと正確なライン取りが要求されるグリーンでの苦悩を吐露した。

画像: 日本勢トップの20位タイにつける米澤蓮。6打差を残り2日で追いかける

日本勢トップの20位タイにつける米澤蓮。6打差を残り2日で追いかける

また、通算5アンダーで日本勢トップの20位タイにつける国内ツアー組の米澤蓮は、2日目を「69」でまとめたものの、16番、18番と終盤の難関ホールで痛恨のボギーを喫した。「特にバックナインは難しいホールが続いてくるんで、そこでどれだけ耐えられるか」と語るように、一瞬の気の緩みやわずかなミスを確実にボギーへと直結させるコースの難易度を肌で感じ取っている。

決勝ラウンドで試されるPGAの洗礼への対応力

アマチュアの長﨑煌心が「昨日と違ってグリーンが硬く速くなり、バンカーも締まっていた。難しいコンディションだった」と証言したように、天候や環境変化に合わせて日を追うごとにタフさを増すのがPGAツアーの真骨頂である。

週末に向けて、セッティングはさらに研ぎ澄まされていくはずだ。世界のトッププロたちに混じり、この過酷な「PGAツアー仕様のグリーン」とリスク管理の境界線に日本勢がどうアジャストし、決勝ラウンドでバウンスバックを見せるのか。コースの環境変化にいかに対応するかが、週末の大きな見どころとなる。

写真/岡沢裕行


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