1990年日本オープン(小樽CC)
「誇りある敗者」その①
大会史上最北端の地、北海道、小樽で1990年日本オープンは開催された。深いラフ、狭いフェアウェイがすべてベント芝。そして距離もたっぷりある難 しいコースセッティングに苦しめられながらも、見事優勝の栄誉を手にしたのは中嶋常幸だった。優勝者のみが主役なら、2位は脇役でしかな い。が、大会3連覇を賭け、あと一歩のところで敗れ去った尾崎将司の戦いぶりは、まさにもうひとりの“主役”であった―――。
選手が最終日の最終ホールに向けてゲームを結晶化していくように、観戦子もその試合の大団円が近づくにしたがってシテとワキに焦点を絞りながらストー リーを煮詰める作業にとりかかる。この試合、勝っても負けても仕...