つるっと啜るのが江戸の粋!
「砂場」の蕎麦
本誌11月号で取り上げた「南千住砂場」。「藪」「更科」とともに江戸三大蕎麦のひとつとされその起源は江戸時代にさかのぼります。大坂城築城の際に、砂が積まれた資材置き場の近くで麺類の商いを始めたのがその起こり。
その資材置き場の付近に「いづみ屋」と「津の国屋」という2件の蕎麦屋がありその蕎麦屋をいつしか「砂場」と呼ぶようになったのだとか。江戸時代の書物の挿絵に「砂場いづみや」の文字が見えます。
その「いづみ屋」が、徳川家康が江戸に幕府を開くと同じくして江戸麹町に店舗を移転、「砂場」として江戸の人々に評価を得て以来暖簾が続いてきました。大正元年、麹町の砂場が南千住に移転し「南千住砂場」としてこ...