445CCと“小型化”しつつ、やさしさがアップした「G400ドライバー」
G400は今回でGの名のつくモデルの9代目。そのドライバーの、前モデルである“G”と比べてもっとも大きな変更点は、ヘッドサイズが445CCと、フルサイズである460CCから15CC「小型化」したことだ。それでいて同社史上もっとも重心位置が低く・深いというのがウリ。慣性モーメントも大きくなっており、見た目はシャープでありながら、打つとやさしいモデルとなっているという。
2017年の全米オープンの月曜日に選手に渡しはじめたが、13人の契約プロがその週からの使用を開始したというから、その性能には期待が持てる。ちなみに、セガサミーカップで優勝したチャン・キムはいち早くこのG400にスイッチした選手で、同ドライバーの“世界初優勝”だったとか。
「まずお伝えしたいのは空気抵抗について。G400は、前作のGドライバーよりも大幅な空気抵抗の削減に成功しています。その分だけ速く振ることができ、それはボールスピード、飛距離に直結します。次に、ボール初速、慣性モーメントにも関わってくるのがフェーステクノロジーです。鍛造の新素材フェースを使用することにより、USGAの(反発性能の)リミットギリギリに作ることができるんです。それに加えてヘッドがたわむことにより、より安定した初速が得られます」と、ジョン・K・ソルハイム社長は胸を張る。
打球音・打感も大きく変化しているといい、今回は“前作から大きく変化している”というメーカーの発言も頷ける。こちらもすっかりお馴染みとなったが、スタンダードタイプ、つかまりのいいSFテック、スピン量を抑えたLSテックと、3モデルがラインアップされている。
シャフトが50グラム台(Rは45グラム)、60グラム台、70グラム台の3モデルが標準シャフトとしてラインアップされているのも嬉しい。スピーダーエボリューション4、アッタスCOOOLといった注目シャフトも選べる。
9番ウッドがうれしい。飛び性能の高い「G400フェアウェイウッド&ハイブリッド」
3タイプのヘッドがあるのはフェアウェイウッドも同じ。スタンダードタイプ、SFテック、LSテックの3タイプが選べる。ドライバー同様、ヘッドがブレず、新採用のフェースにより反発力がアップして初速が上がるという特徴はドライバー同様。それに加えて前作同様のフラットなソール形状により楽に振れて球が上がるとメーカーは主張する。
ちょっとうれしいのがSFテックに7番ウッド、スタンダードに9番ウッドがラインアップされている点。近年ユーティリティに押されてすっかり存在感がなくなってしまったショートウッドだが、これが合う人も多い。選択肢が増えたのは大歓迎だ。
また、ハイブリッドも今回は「飛距離系」だという。プラス5ヤード飛ぶというからありがたい。ロフトは17度、19度、22度、26度、30度の5パターン。フェアウェイウッドの多様化もあって、同社自慢のフィッティングシステムが活かせそうだ。
フラットソールで抜けが良くなった。「G400クロスオーバー」
クロスオーバーという聞きなれない言葉は、「アイアン型ユーティリティ」を表す“ピン用語”。アイアン型ユーティリティ=難しい、という印象を受ける方もいるかもしれないが、ピンらしい絶妙なグースネックで、打ちやすそうな印象を受ける。ロフト設定は19度、22度、25度。
こちらは前作に比べてバウンスを少なくし、フラットソール化。ソール幅を狭くしつつも接地面積が増え、摩擦を分散させているという。ソールが滑って抜けがいい、というわけだ。また、G400シリーズ全体の特徴として、こちらも飛距離性能が高いとのこと。
ストロングロフト化! 飛ばせる「G400アイアン」
G400の大きく変化した点は打感。ヘッド後方のバッジにより深低重心化するだけでなく、インパクト時の振動を抑えて打感を良くしているのだという。
ピンとしては異例だと思うが、今回のシリーズはアイアンでも「飛び」をアピールしている。「球が上がらないからストロングロフトにはしない」という従来の考えを、今回のモデルは球が上がるからという理由で変更。ストロングロフトを採用し、“飛ばせる”アイアンとなっているという。
シリーズを通じて「飛び」を強くうたったピンの「G400」シリーズ。2017年9月7日の発売を楽しみに待ちたい。