ケプカのパッティングはどこが優れているのだろうか。決勝ラウンドを現地でウォッチしたスウィングコンサルタント・吉田洋一郎は言う。
「2017年のPGAツアー平均パット数が1ラウンド28.44で17位と、数字上でもグリーン上を得意とするケプカのパッティングには、パッと見てわかる特徴があります。それが、フォローの小ささ。ほとんど“打って終わり”というほど、コンパクトな振り幅で打っています」
吉田いわく、フォローが小さいことの良さは、「ゆるまない」ということに集約されるという。小さい振り幅で打ち抜くことで、インパクトで合わせたり、ゆるめるような動きが入らない。ゆるんでしまうとフェースが開きやすく、狙ったラインに乗せられない、距離を出せないなどの問題が生じるという。
「ケプカは、手や腕を使わず、肋骨の周りの胸郭を回すようにパッティングしています。しっかりと体を回すことでストロークできているので、ボールにパワーが伝わります。ボールにパワーが伝わることで、振り幅は小さくて良くなり、振り幅が小さいから狙ったラインに正確に打ち出すことができる。なにより正確性が求められる、フェニックスCCのような高速グリーンにマッチした打ち方だと言えますね」(吉田)
実際、ダンロップフェニックスの4日間を通じてのケプカのパーオン時平均パット数は1.6842で全体の6位。79.17%で2位タイだったパーオン率と合わせ、まさしくショットとパットが噛み合った状態だった。
吉田いわく、アマチュアゴルファーは総じてパッティングの振り幅が大きく、ストローク中にゆるみが生じることで、フェースが開いたり、軌道がズレたりして、カップインの確率が下がってしまうのだという。
ドライバー平均飛距離が310ヤードを超えるケプカのパワーは望むべくもないが、正確なパッティングは大いに参考になる。下半身を安定させて胸を回すことでストロークし、結果的に小さい振り幅でヒットできる、ケプカ式のパッティングを参考にしてみては?