スタート前に「70%」くらいまで暖めるのがポイント
「私も昔は、出だしのホールで思うようなプレーができないことが多かったんです。でも、“動的ストレッチ”を取り入れてからは、スタート前にいいコンディションを持ってこられるようになり、朝イチでも “ちゃんと体が動いているぞ”と思えることが増えたんです」(荒井プロ)
荒井プロが取り入れている「動的ストレッチ」とは、ただ体をほぐす・伸ばすだけでなく、軽めのトレーニング的な動きのなかでストレッチを行うことで、ランニングなどをしなくとも大きなウォーミングアップ効果を得られるというもの。体温と心拍数も上がるため、ゴルフ前にはうってつけだ。
とくに、肩甲骨周りやお尻の筋肉をスタート前にしっかりとほぐしておくことができれば、朝のパフォーマンスは格段にアップする。では、実際に教えてもらおう。
ひとつめの「動的ストレッチ」は、下記のようなもの。
1:直立した姿勢から片足を大きく前に踏み出し、足首、ひざ、お尻周りを伸ばす
2:胸を開くようにして前に出した足と同じ側の腕を高く上げ、肩や胸周りを伸ばす
3:「1」の状態に戻る
4:前に出した足のひざを伸ばしながらつま先を上げ、後ろの足のかかとを地面につけるイメージで太ももの裏などを伸ばす
5:脚を戻して上体を立てる
6:後ろ足で蹴り上げて前に出した足側に立ち上がる

1回やってみただけで体があたたまる
荒井プロは練習前に、これを左右交互に5セットずつ計10セット行うという。
「1セットやるだけで、うっすら汗ばんでくるくらい強度は高いですが、それだけ体も暖まりますし、お尻や太もも、肩甲骨周りがしっかり伸ばせて、最高のウォーミングアップになります。まずは回数も少しずつからでいいので、試してみてください」(荒井プロ)
「しゃがんでバンザイスクワット」も効果的
荒井プロがやっている2つめの「動的ストレッチ」は下記のようなもの。
1:スタンスを肩幅よりも広めにしてしゃがみ、両腕をひざの間に入れる
2:上体をひねりながら、腕を外回ししつつ高く上げる動きを左右それぞれ行う
3:上体を立ててバンザイするように両腕を上げる
4:バンザイしたまま立ち上がる

簡単そうにやっているが実際にやるとかなりキツイ
荒井プロは、上のストレッチと合わせて、これも10セット行っているという。
「スクワット的な動きもあって、下半身もしっかりあたたまります。スタート前だけでなく、普段から家などで少しずつやると、筋力アップもできますから、飛距離アップも期待できますよ」(荒井プロ)
どちらも実際にやってみるとかなりキツい動きだが、ウォーミングアップ効果は抜群。「朝イチティショットはどうしてもうまくいかない」という人は、まずは1セットでも、試してみてはいかがだろうか。