アマチュアゴルファーのなかでもハンディキャップが10を割る実力を持ったプレーヤー、“シングル”。多くのシングルや、一流と呼ばれるアスリートたちは皆、縁起を担いでいたりジンクスを信じているのだと、メンタルトレーナー・プロコーチである松本進は言う。本番に強い人がなぜ縁起を担ぐのか? 著書「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」からご紹介。
ゲンをかつぐことでポジティブ信号を自分に送ることができる
本番に強い人ほどジンクスや縁起を信じています。これは何もゴルファーに限ったことではなく、一流と呼ばれるアスリートも皆、様々なこだわりを持ち、縁起を担いています。なぜなら縁起のように単純なことでも、何かを予定通り、実行することでポジティブな気持ちになれるからです。
反面、本番に弱い人ほどこだわりがないように見受けられます。別の表現をすれば、まったくルーティーンがないのです。そうした目に見えないものに頼るよりも、腕前をあげることに必死になる。
さらにもっと悪いのは、コンペ前日になって、突然、普段は行かない練習場に行ったり、お酒の量を減らしたり……。これでは脳に「明日は特別な日だから」と緊張を強いるのと同じ。自分で自分にプレッシャーをかけているのです。
縁起を担ぐのは弱い人? では何でタイガーは毎回、最終日に赤シャツと黒パンを履くのでしょう。弱い人だから?
靴を左足から履く。自分の好きな番号のボールを使う、赤い服を着る。多くの上級者はさまざまな縁起を担ぎます。こんな簡単なことでストロークセーブできるのであれば、見逃す方法はありません。
とにかく「これをやったら大丈夫」というポジティブ信号を自分に送れる何かを決め、早速、実行してみましょう。
「ゴルフ、あっというまに上達する極意。」(ゴルフダイジェスト新書)より
写真/姉崎正